米国のファミレスが苦戦している、3つの理由:来週話題になるハナシ(4/5 ページ)
米国のファミリーレストランが苦戦している。日本と同じように“若者のファミレス離れ”が加速しているが、それだけではない。米国では3つの要因が重なって……。
新しいテクノロジーを導入して売上増
さらに、新しいテクノロジーを導入して売り上げを伸ばそうとしているファミレスもある。
例えば、全米で約2000店舗を展開する大手チェーンレストランの「Applebee's(アップルビーズ)」は、業界でもいち早くタブレット端末を導入した。各テーブルに設置されたタブレット端末を使って、追加オーダーや支払いが直接できるようになり、客の評判も上々だという。
またApplebee'sは、一押しのメニューでも薪(まき)を使ったグリルを全店舗に導入するなど、絶対に店でしか味わえない料理を提供する試みを始めている。グリルに使用されるステーキ肉などは、各店舗内でわざわざハンドカットする「こだわり」を売りにし、従業員に特別なトレーニングをしてクオリティーで違いを出そうとしている。
現在、Applebee'sは、4000万ドル(約44億円)をかけ店舗の大改装を行い、コンテンポラリーでシックなイメージに店舗を一新している。また同社にとって過去最高となる1億2000万ドル(約133億円)の巨額をつぎ込んで、マーケティング・キャンペーンを行い、ブランドの再構築にも取り組んでいる。ただ巨額投資に見合うだけの効果がまだ出ておらず、トップが退任に追い込まれている。
もっとも、レストラン側はどれだけ必死に改革に取り組んでも、残念なことにファミレスそのものが消費者に飽きられているという事実がある。そのイメージを変えるのは、そう簡単なことではない。
それでも、レストラン不況から抜け出すことに成功したファミレスもある。シーフードが有名なチェーンレストランのレッドロブスターだ。
レッドロブスターはまず、客がどのようなシチュエーションでシーフードを食べに来店するのかを分析した。その結果、多くの客がお祝い事などの特別なイベントで訪れることが分かった。
そこで、客のニーズに応えるべく、普段スーパーなどでは手に入らない高品質の食材をメニューに加え、「特別感」を演出。さらに、食材の調理方法を改善することで、品質と味の向上に成功している。
レッドロブスターは、他社同様にメニューを改善したに過ぎない。だが、シーフードという本来のスペシャリティを見直し、特化することで客のツボをがっつりつかむことができたようだ。
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