米国のファミレスが苦戦している、3つの理由:来週話題になるハナシ(3/5 ページ)
米国のファミリーレストランが苦戦している。日本と同じように“若者のファミレス離れ”が加速しているが、それだけではない。米国では3つの要因が重なって……。
ファミレスが苦戦しているもうひとつの理由
ファミレスが苦戦している2つめの理由は、人々の外食する機会そのものが減っていることだ。というのも、自宅で食事をとるほうが断然安上がりだからだ。
スーパーでは、激しい価格競争で食料品の値段が下がり、消費者は割高な外食をやめて、食材を購入して自宅で料理する傾向が高まっている。米政府のデータによると、2016年は食料品の価格が過去50年で初めて1.3%も減少している。
激化する価格競争のせいもあるが、食料品の価格がこれだけ下がれば、消費者の選択にもかなり影響するだろう。また、惣菜や調理済みの料理を充実させるスーパーが増えていることも、外食よりも自宅で食事を済ませる傾向を後押ししている。
その他にも、ネットスーパーやミールキットデリバリーなど、便利な配送サービスを利用すれば、食材をそろえたり自宅で料理をすることがそれほど面倒ではなくなってきている(関連記事)。
特に、急成長中のミールキットデリバリーは、レストランで提供されるような手の込んだメニューが自宅でつくれるとあって、利用者が増えている。そのため、有名シェフやブランドが続々とビジネスに参入しており、ますます盛り上がりをみせている。
3つめの理由は、ショッピングモールの衰退が関係している。というのも、ファミレスはショッピングモールに併設または隣接されているケースが多い。これまでなら、お腹を空かせた買い物帰りの客がファミレスに流れることでビジネスが潤っていた。
ところが、ショッピングモールを訪れる客が激減しているため、ファミレス業界もその余波で痛手を負っている。また外食をするためだけに出かけるなら、ファミレスではなく別の店を選ぶ傾向がある。
このように、ファミレスを取り巻く環境は非常に厳しくなっている。消費者のライフスタイルが変わり、さらに選択肢が増えているため、これといって特別感のないファミレスにわざわざ行くことが減ってしまうのも当然だ。
ただこうした状況に、さすがのファミレスも打開策を練っている。店舗に足を運んでもらえるように、サービスの向上や店舗の改装など基本的なことから始まり、やれることはすべて行っている。競合との違いをだすために、食材をアップグレードしたり、メニューを改善したり、テイクアウトやデリバリー用のメニューを開発したりしている。
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