東洋電機製造は4月5日、東京大学大学院、日本精工と共同で、電気自動車(EV)が走行中に道路からワイヤレスで給電する仕組みを開発し、世界で初めて実車走行に成功したと発表した。実用化すれば、EVの課題である航続距離の短さを改善し、道路からの給電だけで高速道路を走ることも可能という。
4輪それぞれに搭載のモーターで駆動する「インホイールモーター」(IWM)方式のEVで実現した。磁界の共振により非接触で送電する「磁界共振結合」方式を使い、道路に敷設したコイルからEVのコイルに給電する。
1輪当たりの出力は12キロワット。4輪を合計すると市販EVと同等の走行性能が得られるという。
EVの普及に向けた課題の1つが航続距離。距離を伸ばすために大きなバッテリーを積むと重くなり、駆動に必要なエネルギーが増えるというジレンマがある。走行中給電は、車載バッテリーを最小限にした上で、走りながら道路から電源を得ることで航続距離を伸ばす技術として研究が進められている。
新技術では、車輪を直接駆動するIWMを採用したことでギアなどが不要になり、伝達ロスを抑えられる上、駆動装置の重さを従来のEVより30〜40%軽くできるとしている。道路から直接IWMに給電するようにしたことで効率も高めた。
東洋電機はワイヤレス用変換器の開発を担当。発表が株式市場に伝わると、同社株価(東証1部)は急騰。ストップ高(値幅制限の上限)となる前日比400円高(+23.98%)の2068円で取引を終えた。
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