18年卒採用も「売り手市場」 スピード感はアップ:「採用スケジュール前倒し」企業増える
マイナビが「2018年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」を発表。18年卒も売り手市場の状態が続いているが、採用環境への危機感からスケジュールは全体的に前倒しになっている。
マイナビは4月6日、2018年新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向をまとめた調査結果を発表した。18年卒の採用予定数は全体平均で調査時点での17年卒入社予定数から17.8%増となり、採用意欲が高い売り手市場の状態が続いている。
業種別では、採用意欲が高いのは、商社(前年比35.6%増)、建設(29.5%増)、製造(19.8%増)。一方、金融(3.1%増)、マスコミ(7.5%増)はやや勢いに落ち着きが見られる。
採用環境については、過半数の企業が「前年より厳しくなる」と答えた。「母集団(エントリー数)の不足」「内定辞退の増加」「セミナー動員数の不足」などが理由として挙げられた。採用スケジュール短期化の影響で、母集団の確保や選考への誘導などの採用活動初期フェーズに対する危機感が高まっている。
このため、初期段階のスケジュールの前倒しが起こっている。エントリーシート結果通知の開始のピークは、前年の4月から3月に前倒しに。就活解禁となる3月に受付を始め、すぐに結果通知を開始する企業が増加しているという。同様に適性検査・筆記試験の開始のピークも3月へと早まっている。
面接の開始時期は前年同様4月がピークに。内々定出しが始まるのもピークは前年と同じく6月だが、2〜5月に出す企業も増えており、緩やかな前倒しの傾向がある。採用活動のスピードが全体的に早まっていることがうかがえる。
企業が実践・注力している採用手法は、「体験型インターンシップの受け入れ」や「学校訪問」。「長期インターンシップ」「アルバイト経験をさせてからの採用」も、「学生の本質を見極めるために有効」と取り入れている企業が増えている。「学生アルバイトの社員登用」は、小売の22.3%、サービス・インフラの15.5%が実践していると回答した。
01年以来毎年実施している恒例の調査。調査期間は2月6日〜3月3日で、2419社が回答した。
関連記事
- なぜ研修にチカラを入れている会社は、パッとしないのか
上司から「研修があるから受けてきてね」と言われたことがある人もいるはず。ビジネスシーンでよくある光景だが、グーグルで人材開発を担当してきたピョートルさんに言わせると、こうした会社は「イケていない可能性がある」という。なぜかというと……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 17年転職市場、求人数増加へ 働き方改革など影響
インテリジェンスによると、中途採用求人数は25カ月にわたって伸び続け、2016年12月の求人数は過去最多となった。17年も転職市場は活発化を続けると予測する。 - 今からでも遅くない? 年収200万円と800万円の分かれ道
サラリーマンの給料が減っていく――。このような話を聞くと、不安を感じる人も多いのでは。人口減少などの影響を受け、大幅な経済成長が見込めない中で、私たちはどのように仕事をしていけばいいのか。リクルートでフェローとして活躍された藤原和博さんに聞いた。 - あなたは大丈夫? 10〜20年後、人工知能に奪われる仕事100
人工知能によってあなたの仕事が奪われるかもしれない――。このような不安を感じている人も多いのでは。ある調査によると「労働人口の49%が人工知能などによって奪われる」という結果がでたが、この数字をどのように受け止めればいいのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.