1000万円以下も 「ローコスト住宅」安さの理由:マネーの達人(2/3 ページ)
最近は「ローコスト住宅」と呼ばれる格安のビルダーが元気です。「本体価格750万円!」など、1000万円を切る金額の広告などで目を引きます。今回は、ローコスト住宅の安さのわけを紹介しましょう。
ローコスト住宅にできるわけ
最近は、いわゆる「ローコスト住宅」と呼ばれる格安のビルダーが元気です。「本体価格750万円!」など、1000万円を切る金額の広告などが目を引きます。
注意すべきは、仮に本体価格が750万円だとしても、それ以外に水道工事やガス工事、外構工事や諸費用などが発生するので総額では1000万円は超えます。でも、注文建築で1000万円台の、しかも前半の金額で建てられるのなら非常に安いのは間違いありません。
ローコストをウリにして営業している会社の全てを見たわけではありませんが、実際に仕事で関わった範囲で知り得た「安くできる要因3つ」を挙げます。
- 打ち合わせコスト削減
- 仕様を固定化、仕入れを共同化
- 利益率の設定を下げる
1.打ち合わせコスト削減
ますは、設計の打ち合わせコストの削減です。こだわり派なら、一からじっくりと打ち合わせをしたいと考えているでしょう。しかし、じっくりと打ち合わせをすればするほどその間の設計士や営業マンの人件費も発生するので、建築コストに跳ね返ります。
とあるローコスト住宅の会社は、基本的にいくつかのプラン集から選択してもらう方式を採用しています。原則として、プラン集からの間取りの変更は不可です。使い勝手が悪いというわけではありませんが、細かい点までこだわりたい人には物足りないかもしれません。
設備については、安いからといって仕様が低いというわけではありません。そこそこ良いモノが入っており色も選べますが、選択肢は限られます。
分かりやすく言えば、ローコスト住宅は「既製品と同じもの」を「受注生産」するイメージだと思います。
プラン集から選ぶならあらかじめ設計図面も用意しておけます。設計士が頭を抱えて、時間をかけて図面を仕上げる必要はありません。契約から着工までの打ち合わせ回数をできるだけ少なく済むようにシステム化されています。注文建築とうたってはいますが「オーダーメード」というよりは「セミオーダー」、もしくは「既製品の中から気に入ったものを選択する」という表現が近いように感じます。
大手のハウスメーカーでも、完全な注文建築ではないという人もいます。メーカーにもよりますが、私は、よほど奇抜なデザインを希望しなければ大手ハウスメーカーは自由度が高い方だと思います。
そして、コスト削減にはもう1つあります。それは住宅展示場の出展コストです。
常設の総合住宅展示場には出展せずに、自前で単独のモデルハウスを用意しているケースがあります。モデルハウスとして数カ月利用し、建売住宅のようにそのまま販売してコストを回収する会社もあります。
この回収した資金で新たに土地を手に入れ、次のモデルハウスを建築、数カ月利用したら販売して資金回収――というサイクルで複数のモデルハウスを回しながら大きなコストをかけずに営業活動をするという手法です。
さながらサーカスの移動公演のようですが、モデルハウスの場所はそのときによって異なります。
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