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トヨタが介護ロボット進出で描く未来:池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/3 ページ)
トヨタがリハビリ支援ロボット「ウェルウォークWW-1000」を発表、今秋からサービスインする。同社はこうした一連の介助ロボットを「パートナーロボット」と名付け、「いいクルマづくり」と併せて力を注いでいくという。
ウェルウォークWW-1000の配付資料では、開発中の生活支援ロボット「HSR」についても触れられている。こちらは高齢化や障害によって自助生活が難しい人の自宅での生活に日常的な介助やサポートを行い、自立生活の可能性を広げる。
一例を挙げれば、冷蔵庫の牛乳のバーコードを読み取って重量を計測。日常品の中で残量が少なく補充が必要なものをメールで通知。高齢者向けアプリを搭載したスマホなどから発注し、商品の受け取りにも対応するという。また、人工知能が会話の相手を務めることで認知症抑制の役割も果たす。
資料にスケジュールされているロボットは「歩行練習アシスト」、「対話ロボット」「立ち乗りパーソナルモビリティ」、「バランス練習アシスト」、「生活支援(HSR)」、「移乗ケア」と多岐に渡っており、これらの技術はHSRと対話ロボットのように、製品化の際、機能が組み合わされるケースもあるだろう。
トヨタはこうした一連の介助ロボットを「パートナーロボット」と名付け、「いいクルマづくり」と併せて「いい町、いい社会」づくりとしてさまざまな社会ニーズに対応し、「人と共生するパートナーロボット」と位置付けていく。それはトヨタグローバルビジョンで提唱する「笑顔のために。期待を越えて」というスローガンに収束していくものだという。
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