調査リポート
国内スマホゲーム市場成熟 海外進出の動きも:「パズドラ」伸び悩むも……
国内スマホゲーム市場は成熟し、安定的な成長へ。小規模事業者の淘汰や海外進出などが見られるように――矢野経済研究所調べ。
矢野経済研究所が4月20日に発表したスマートフォンゲーム市場調査結果によると、2015年度のスマホゲーム市場規模は、前年度比3.4%増の9250億円(メーカー売上金額ベース)だった。「パズル&ドラゴンズ」など古参のゲームアプリの売り上げが伸び悩む中、大手家庭用ゲームメーカーの参入や、小規模ヒット作が複数登場したことなどが市場に好影響を与え、安定成長を実現させた。
16年度は、国内市場の成長は伸び悩むが、任天堂などの大手ゲームメーカーの参入に対する期待感もあり、2.2%増の9450億円と堅調な推移。17年度は1.6%増の9600億円と伸び率は下がるものの安定的な成長が予測されるという。
市場の成熟で浮上しつつあるのは、開発期間の長期化や開発コストの増大。矢野経済研究所は「小規模事業者の淘汰と有力なコンテンツを有するゲームメーカーが市場を寡占化する傾向になることが予想される」と分析している。
また、アジアを中心に海外市場への期待も高まっている。現地企業との連携や協業、現地に合わせたコンテンツ開発体制を構築するなど、海外市場へのゲームアプリの投入を目指す動きが活発化しているが、海外市場での成功例は少なく、「未開拓の領域」という。
調査期間は16年12月〜17年2月。国内主要スマートフォンゲームメーカーなどを対象にヒアリングなどを行った。
関連記事
- 2021年のスマホアプリ市場、中国が4割占める
スマートフォンアプリ市場データを提供するApp Annieが、2021年にかけてのスマホアプリ市場規模予測を発表。全世界のアプリストアを合計した消費者支出額は1390億ドル(約15兆3700億円)を超える巨大な市場に。注目国は中国とインドだという。 - これぞ“神の手”? 通信障害なのに株価は急騰
4月6日午前の株式市場で、ブランジスタ(東証マザーズ)が急騰。 - ミクシィ、売上高を下方修正 海外「モンスト」など低調
ミクシィは2月9日、2017年3月期通期の連結業績予想を修正。売上高が従来予想から120億円減の2060億円にとどまる見通しだと発表した。主力のスマートフォンゲーム「モンスターストライク」が国内は堅調だったが、海外版や新作タイトルの一部が見込みより低調に推移した。 - 自販機がこれからも進化する理由
スマートフォンアプリで飲み物を買ったり、プレゼントしたりできる自販機が東京駅に設置された。飲料の売り場として、昔から変わらない役割を担い続ける自販機。なぜ変わろうとしているのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.