語学学習ソフト「ロゼッタストーン」日本市場で独自展開:ソースネクストが日本法人を子会社化
ソースネクストが「ロゼッタストーン」日本法人を子会社化。日本向けのラインアップを大幅に拡充し、2020年までに累計100億円の売り上げを目指す。値下げキャンペーンや新商品を続々と展開する。
PCソフトの販売・開発会社のソースネクストは4月26日、語学学習ソフト「ロゼッタストーン」を展開する米Rosetta Stoneの日本法人の全株式を取得し、子会社化すると発表した。日本市場において知名度のあるロゼッタストーンブランドを、日本向けに大幅拡充して独自展開し、2020年までに累計100億円の売り上げを目指すという。
ソースネクストは3月15日、ロゼッタストーンブランドの国内無期限商標使用権・独占販売権・改変権を取得していた。日本法人の買収で、米Rosetta Stone本社の販路を通じ、日本で開発した新商品を世界展開することが可能になった。
国内ユーザーにアピールするために、30万本限定で価格を2万7593円から4980円に大幅値下げするキャンペーンを実施。また新たに、よりレベルを上げたビジネス向け、TOEIC対策、TOEFL対策、新学習指導要領で英語が必修となった小学生向けのラインアップを自社開発する。今後はユーザーの学習を支援するサービスもリリース予定だ。
「アンケートを取ったところ、一番ニーズがある『旅行』『日常会話』はスタンダードなソフトでカバーできる。その次に来る『ビジネス・資格』というニーズに対して、TOEICやTOEFL対策ができるソフトは大きな反響があると考えている。また、子供向けは、長期間にわたって市場の獲得ができることを狙う」(松田憲幸社長)
Webサイトのみならず、量販店でも販売を行う。ロゼッタストーンのブランド力を生かしながら、日本ユーザーに向けて独自ラインアップを拡大。「20年に向けて50以上に拡充する」(松田社長)という。積極的にプロモーションも行う。
目標「累計100億円」達成できる?
子会社化したロゼッタストーン・ジャパンの16年12月期の業績は、売上高9300万円、営業損失4100万円、純損失1800万円だった。売上高は14年12月期の2億4900万円(営業損失は2億4500万円)から落ち込んでいる。
ロゼッタストーンの売り上げの目標は約4年間で累計100億円。厳しい数字にも見えるが、松田社長は「3月から販売を始めており、その実績を見ての予測。既存の製品だけでも売れているが、新製品が加わることでより伸びる。背伸びしている数字ではなく、十分頑張ればいける数字だと考えている」という。
語学学習は、訪日外国人旅行者数の急増や、ビジネスのグローバル化により、ニーズが高まっている一方で、多くのプレイヤーが存在している“激戦区”だ。語学学習ソフトのみならず、英会話スクール、オンライン英会話なども競合になる。ロゼッタストーンブランドの強みはなんだろうか。
「日本・世界での圧倒的な実績と知名度があることは大きい。また、日本ならではの傾向として、『1人でできる』メリットがある。タイピングソフトの『特打』をリリースした時、『1人でできるので恥ずかしくない』という声が寄せられた。英会話スクールやオンライン英会話は恥ずかしくて抵抗がある層に、ロゼッタストーンのソフトは強くアピールできる」(松田社長)
今後は、AI(人工知能)などの技術も取り入れ、AIとの会話で語学学習ができるといった構想も立てている。また、80か国以上の言語に対応する翻訳ソフトウェア「ロゼッタストーン翻訳」や、AIを活用した自動翻訳小型デバイス「ロゼッタストーンポケット」も年内に発売を予定する。
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