「ヒゲ」ブームの裏で、関連ビジネスが面白いことに:来週話題になるハナシ(2/4 ページ)
海外でヒゲを伸ばす男性が増えてきている。その影響もあってか、欧州では2014年ころからカミソリの売り上げが減少していて、米国ではシェービング用品が苦戦している。なぜ「ヒゲ」を伸ばす男性が増えているのかというと……。
ヒゲ関連のビジネスが面白いことに
その影響もあってか、メンズ・グルーミングの世界市場で最大となる欧州では、2014年ころからカミソリの売り上げが落ちている。また、英国や米国でもカミソリなどシェービング用品の売り上げがペースダウンしており、反対に米国では過去5年でヒゲを生やしている男性が15%もアップしているという調査報告もある。
またヒゲのグルーミングを得意とする、クラッシックなバーバーの世界的ブームが起こっていたり、ヒゲ専用の新商品が続々と市場に出回っている。いま、ヒゲ関連のビジネスは、面白いことになっているのだ。
それは数字からも見て取れる。メンズ・グルーミングの世界市場は、2015年に472億ドル(約5兆2600億円)だったのが、2020年に607億ドル(約6兆7500億円)規模になると予測されている。その中でも、ヒゲ関連のビジネスは急成長中のカテゴリーとして期待されている。
なぜ今「ヒゲ」なのか。まず第一に、その「効果」が再確認されていることがある。手入れの行き届いたヒゲは、頬骨をシャープに見せ、小顔効果が期待できるという。つまり今よりも小顔なイケメンに近付けることができるかもしれないのだ。
これまで、顔を小さく見せるために、メイクの技などを駆使して、顔に陰影を出してきたが、ヒゲがあればそれと同じ効果が得られるという。それなら、ヒゲのメンテナンスをしておいたほうが、男前ぶりにさらに磨きがかかるというものだろう。
また、小顔効果だけではなく、ヒゲそのものに女性を惹(ひ)き付ける効果があるらしい。オーストラリアのクイーンズランド大学で心理学者をしているバーナビー・ディクソン博士の研究によると、顎(あご)ヒゲは「男らしさ」を際立たせ、一緒に家族を持つのにふさわしい相手として魅力的に映るらしい。
この研究は、コンピュータグラフィックスを使って、男性の顔をヒゲが全くない状態、少し無精髭がある状態、濃いめの無精髭がある状態、顎ヒゲがある状態の4段階に分け、女性がどの顔に魅力を感じるか調査したものだ。
その結果、女性にとって付き合うなら無精髭の男性が人気だが、結婚するなら顎ヒゲの男性が一番魅力的に感じることが分かった。いずれにせよ、「男らしさ」を感じさせるヒゲは、モテるために有効だということだ。
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