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鉄道車両のラッピングはどのようにして貼っているの?スピードが出ても剥がれません(2/3 ページ)

鉄道車両のデザインが、昔と違って複雑になってきた。キャラクターが描かれたり、グラデーションが施されていたり。車両にマーキングフィルムが貼られているわけだが、どのようにして貼っているのか。また走行しているときに、剥がれたりしないのか。

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フィルムの中にビーズを入れている

――鉄道の車両は大きいですよね。しかもスピードが出る。フィルムを貼るのは難しいのではないでしょうか?

竹花: 看板は強風を浴びることがありますが、動きません。一方、鉄道車両はかなりのスピードで動くので、フィルムがはがれないようにしなければいけません。はがれないためにどのようなことをしているのかというと、特殊な粘着剤を使っているんです。

 大きなフィルムを車両に貼るわけですが、うまく貼れないことがあるんです。位置をうまく合わせるために、粘着剤の中にガラスビーズ(以下、ビーズ)が入っているんですよね。「1センチ右にズレてしまったので、左にズラしたいなあ」といったことがあるわけですが、ビーズが入っていることによって動かすことができるんです。そして、位置がぴったり決まったら、グッとチカラを入れる。待つこと、12〜24時間。粘着剤の中にビーズが入っていき、車両にフィルムがくっつき、はがれにくくなるんですよね。


粘着剤の表面に小さなガラスビーズが入っている

――実物を見せていただけますか。(フィルムを見て)うーん、目で見ても手で触ってもビーズがあることは分からないですね。

竹花: とても小さいモノなので、肉眼では見えません。次に、フィルムのつなぎ目部分に注目してください。フィルムは反物のように、ロール状になっていて幅が決まっています。車両のように大きなモノには幅が足りないので、どうしてもつなぎ目ができるんですよね。分割して貼るわけですが、その際にいかにつなぎめ部分を目立たなくさせるか。例えば、ドアの前後などにつなぎ目があることが多いのですが、実際には近くでよーく見ないと分かりません。つなぎ目部分をできるだけ分かりにくくして、人の手が描いたように見せなければいけません。


東京メトロ銀座線の特別仕様車両もラッピング(出典:東京メトロ)

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