イチローは本当に衰えているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
マイアミ・マーリンズに在籍するイチロー外野手のバットから快音がなかなか響き渡らない。一部メディアからは「イチロー限界説」が報じられているが、本当にそうなのか。マーリンズのマッティングリー監督によると……。
監督はイチローの「衰え」を否定
しかしイチローの起用法は現状で代打要員だ。スタメン起用で復活を印象付けるタイミングをただ粘り強く待つだけでは、なかなか好機はやって来ない。何か復活の糸口は見つけられないのだろうか。ここにマーリンズのドン・マッティングリー監督のイチローに関する寸評を掲載しておきたい。今季開幕前のスプリングトレーニングで就任3年目を迎える指揮官はイチローについて次のように語っていた。
「彼は本当に素晴らしい。キャンプでもメディアが見ていないところで若手たちを積極的に教え、アドバイスを送ってくれている。チームにとって非常に大切な存在だ。『守備、攻撃、走塁』の三拍子の力が備わったイチローではあるが、メジャーリーグの中でもその存在感はひときわ目立つ。
外野の控え要員であることも彼は『若い選手を育成しなければいけないチーム方針は十分理解しています』と受け入れてくれた。たとえベンチスタートであっても途中出場で結果を残し、全力プレーを見せようと今も自分に言い聞かせている。若手たちの『教師』だね」
さらにマッティングリー監督はイチローの「衰え」を真っ向から否定し、こうも続けていた。
「キミたち、メディアは知らないだろうが、いつもイチローは球場入りすると徹底的に自分の体をいじめ抜く。ストレッチだけに1時間以上を費やし、ジムでのワークアウトでもケガをしない丈夫な体を作り上げ続けている。年齢面でも昨オフ、身体の数値を計測してみたところ彼の肉体年齢は20代後半と出た。これは言うまでもなく驚くべきことだ。
そのような選手を長い野球人生で、私は過去に見たことがなかった。つまりフィジカルの面でイチローの『衰え』は特に心配していないし、何に問題もない。
ただしここ最近のシーズンでもずっと続いている代打の連続で彼の心の中にあるフラストレーションは溜まる一方かもしれない。それでもこれを我慢し続けて耐え切ってうっ憤をクリアしたとき、イチローは40代半ばでステージをさらに上げることになる。そういう彼に私は大きく期待している。だからたとえシーズンが始まって迷路にはまり込んでしまっても彼ならば、自分の努力で這(は)い上がっていくはずだ。彼は別次元のスーパープレーヤーなんだよ」
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