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星野リゾート、ブランド作りの条件とは?:トップインタビュー(4/4 ページ)
大阪・新今宮エリアに新たな都市観光ホテルの開業を目指すなど、その取り組みが注目を集めている星野リゾート。同社の経営トップである星野佳路代表に事業展望などを聞いた。
リピーターをどう獲得?
――星野リゾートの来客数は年間約150万人。リピーターの割合はどのくらいですか?
施設によってだいぶ差があるのと、現在、施設を予約してくれる人のうち会員登録しているのは50%弱なので、正確な数値は把握できません。
ただ、私たちは同じ施設に何度も来てもらうというのをあまり重視していません。それよりも、星野グループ内でのリピートが大事だと思っています。青森や沖縄など、星野リゾートがあるからそのエリアに行ってみたいという旅のニーズに応えていきたいです。
――グループ内のリピーターを獲得するためにやっていることはありますか?
星野リゾートは顧客データを収集して、特定の顧客に対してディスカウントしたり、宿泊するとポイントを提供したりということはやっていません。
大切なのは、星野リゾートのファンになっていただき、リピートしてもらうということを、現地のスタッフがきちんと理解しているかということです。例えば、過去に東京や京都の施設に訪れた顧客が、今回は鬼怒川にいらっしゃったのだということを、現地のスタッフは皆把握してサービスしています。
「この宿泊客は星野リゾートに何度も来たことがある人だ」と思ってサービスをできるかどうかは重要なことです。その上で各地域の魅力をしっかり伝えていくのが、リピーターを増やすために大切だと考えています。
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