KLab、V字回復 海外展開好調とイベント事業撤退で: 「BLEACH」海外版がヒット
KLabが2017年12月期第1四半期(17年1〜3月)の連結決算を発表。増収増益を果たし、純利益は黒字に浮上した。「BLEACH」など既存ゲームの展開好調に加え、イベント事業からの撤退が功を奏した。
KLabが5月11日発表した2017年12月期第1四半期(17年1〜3月)の連結決算は、売上高は前年同期比8.9%増の52億4900万円、営業利益は9億3500万円(前年同期は7000万円の赤字)。純利益は6億8900万円(前年同期は4億1300万円の赤字)とV字回復した。既存ゲームの好調と、低調だったイベント事業からの撤退が功を奏した。
「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」「BLEACH Brave Souls」「天空のクラフトフリート」など主力の既存タイトルが好調で、ゲーム事業の売上高は直前四半期(16年10〜12月)から4億8000万円増の52億3400万円だった。
大きく伸びたのは全世界2000万ダウンロードを突破した「BLEACH」。特に海外展開が好調で、92か国で追加配信を開始したグローバル版は日本語版を上回る売り上げを計上している。この伸びが寄与し、KLabの海外売上高は10億3600万円と、四半期として過去最高を記録した。
伸び悩んでいたイベント事業から撤退したため、非ゲーム事業の売上高は1500万円と大幅に減少したが、営業利益は大幅に改善。フィリピンのオフショア開発拠点からの撤退もあり、コスト削減も進んでいる。
17年はゲーム事業に積極投資を行い、現在11タイトルを開発中。17年中は2〜5本の新作タイトルの投入を目指す。「うたの☆プリンスさまっ♪」「キャプテン翼」「幽☆遊☆白書」などの新作や、主力アプリ「ラブライブ!」の新たな展開も予定している。
展開するゲームは「維持していく主力タイトル」と「撤退するタイトル」を判断し、リソースを集中させることで、ヒット率の向上を狙う。今後は日本の大型他社IP(知的財産)を生かしたアプリ開発を売り上げのベースにしていくとともに、国内で成功したタイトルの海外展開や、中国・アジアに特化した専用ゲームを開発するという。
通期の業績は、新作タイトルのヒットの度合いを想定し設定したレンジで、売上高175億〜225億円、営業利益6億〜29億円、純利益1億6000万〜17億5000万円を見込む。
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