千葉ロッテに「身売り説」が再燃する裏事情:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
千葉ロッテマリーンズの「球団身売り説」が再燃している。チームが低迷している中で、なぜこのようなウワサが飛び交っているのか。
「球団の身売り」説が再燃
これだけ主力に想定外の案件が頻発すれば、さすがに首脳陣も頭を抱え込むしかない。こうなるとここまでの低迷は、さすがに「采配」や「起用法」云々の問題ではないだろう。現場を預かる伊東勤監督の心中は察して余りある。2013年シーズンからタクトを振るい、ここまでチームを3度Aクラスに導いてクライマックスシリーズへ進出させてきたが、もしかすると今季ばかりはさすがに早々と諦めモードになってしまっていても不思議はない。
報道陣にいつも務めて明るく振る舞っているものの、その表情には日を追うごとに苦悩の色が濃くなっていく様子も手に取るように分かる。惨敗した17日の試合後は珍しく「今日はなしでいいですか」と一度は取材拒否の姿勢まで見せたほどだった。
伊東監督は5月4日の日本ハム戦で4連敗を喫した後、メディアを通じて「球団も外国人を含め本気で動いて欲しい」と緊急補強の必要性を訴えた。これを受け、球団幹部は新戦力補強を急ぎたい考えを示したものの、その一方で「それで100%、問題が解決するわけではない」とも述べている。現有戦力の猛奮起を求めたのは理解できるが、どこか煮え切らない姿勢にも受け取れたのは筆者だけではあるまい。
そうした中、ここにきて今年3月のWBCでキューバ代表として活躍した29歳のエル・サントス外野手がロッテと契約合意したとの報道が現地メディアから伝わってきた。「やっとか……」という感もあるが、サントスは俊足巧打のアベレージヒッター。デスパイネとはまったく違うタイプであることは言うまでもない。ファンの間からも獲得を喜ぶより「いま本当に必要なのは大砲」「長距離打者とのダブル獲得を急げ」との声が、ネット上で早くも飛び交っている。
このようにチームが深刻な低迷に悩まされながらもフロントの動きが「的外れ」かつ「鈍化」しているように見受けられるのは、親会社のロッテホールディングス(ロッテHD)の内情と深く関係しているのではないだろうか。これまで浮上しては消えていた「球団の身売り」がここにきて同社周辺で再燃して来ていることも見過ごしてはいけない。
ロッテHDは日本と韓国で事業を展開するロッテグループ企業を傘下に置く持ち株会社。韓国では一大財閥として、日本でも菓子やアイスなどが人気商品として定着しているが、2015年以降経営権を巡って骨肉の争いが続いている。かつて同社の副会長職を務めていた創業者長男の重光宏之氏が4月末、6月下旬に開催予定の株主総会に向け、現副会長の次男・昭夫氏(韓国ロッテグループ会長兼務)ら経営陣の刷新を求める株主提案をしたと発表。自身を含む4人を取締役に選任することを株主提案として求めていく“対決姿勢”を示した。ちなみに、その提案は過去3回の株主総会でいずれも退けられている。
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