千葉ロッテに「身売り説」が再燃する裏事情:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
千葉ロッテマリーンズの「球団身売り説」が再燃している。チームが低迷している中で、なぜこのようなウワサが飛び交っているのか。
球団運営が足かせになっている
重光宏之氏がロッテHDの副会長職の座を解任されたのが、一昨年の1月。創業者・重光武雄氏(ロッテHD名誉会長)の信頼を失ったことが大きな要因と見られているが、その真相はうやむやのままだ。しかも現副会長の昭夫氏は韓国前大統領・朴槿恵(パク・クネ)被告への贈賄罪で、そして宏之氏もロッテグループから報酬を不当に受け取ったとして横領罪の容疑でそれぞれ韓国検察に起訴されている。
創業家兄弟がそろって嫌疑をかけられる中、お家騒動にも終着点が見えなくなっていることで日韓両国内におけるロッテのブランドイメージは大幅な低下が懸念されている。球団の千葉ロッテマリーンズに出入りするロッテHDの関係者はこう赤裸々に打ち明けた。
「こうなるとロッテHDとしては球団運営がますます重荷になってくる。球団は過去に年間で40億円近い赤字を計上したこともあった。本社からの補てんを除いた球団単体の赤字額は、一昨年の10億円強から昨年は過去最低の約5億円程度にまで減額された。昔に比べると大幅に改善されたとはいえ、まだまだマイナス計上であることに変わりはない。
それにこれだけ弱いと先行きが不透明。昨年の観客動員数は確かに12球団でトップの伸び率だったが、今季は低迷で客足が鈍ってきている。このままだと大幅ダウンは必至だろう。しかも親会社としては創業者一族のゴタゴタによってロッテのブランド力が著しく低下する中、これ以上“出血”してまで赤字球団を支え続けていく余裕はない。マリーンズが今弱くて『補強、補強』と現場から突かれてもカネを出し渋るのは、そういう事情で親会社が消極的になっている部分も大きい。少ない予算の中でやり繰りを強いられるのだから、補強に動く編成担当者も相当に頭が痛いはず。カネがなければ交渉する代理人に言いくるめられ、ババ(しょっぱい選手)をつかませられたりするケースもあるだろう」
現状、球団運営が足かせになっていることを強調した上で同関係者は、ささやかれ始めている「身売り説」についても次のように述べた。
「確かに球団運営が広告力につながるとの声も少数ながら一部にあるが、オリオンズ時代からここまで約50年に渡って経営に携わってきたことでその恩恵はもう十分に授かったと考えるべき。これまでも球団身売り話が“浮かんでは消える”の繰り返しだったが、ここ最近はグループ内からも『もういい加減、球団経営から退くべきだ』とトップに対して決断を求める強硬な意見が噴出している。
日本のロッテHDと韓国ロッテグループの支配権を握り、マリーンズでも球団オーナー代行を務める重光昭夫副会長もさすがに無視できなくなる流れになるだろう。何せ自身の立場も一連のゴタゴタで弱くなっているからね。裏で糸を引く武雄名誉会長もマリーンズのオーナー職にまだ籍を置いていて球団をこよなく愛しているが、今や鶴の一声は発しにくい立場だから『NO』と言っても効力はほぼない」
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