「愛」を選んだ眞子さまの結婚は性差別主義的なのか:世界を読み解くニュース・サロン(2/3 ページ)
秋篠宮家の長女、眞子さま(25)が一般の男性と結婚されることが判明した。日本の皇室の話題は世界でも注目されており、今回のニュースも世界中で広く報じられている。どのように報じられたかというと……。
海外メディアの報じ方
米テレビのNBCはやはり、「結婚後に皇族離脱」というタイトルの記事を掲載し、さらに結婚のために王位を捨てた「英国のエドワード8世を思い出させる」との話を盛り込んでいる。1936年に、バツ2の女性と結婚するために王室ともめて国王の座を退位したエドワードの恋の顛末(てんまつ)は『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』として映画にもなったほど有名だが、さすがにここでもち出すのはかなり無理がある。眞子さまの結婚はもっとシンプルかつ爽やかであり、そこまで大層な話ではない。とにかく、皇族の地位をかけた恋とでもしたいらしいが、かなり強引でピンとこない。
フランスのテレビ局ユーロニュースは、「プリンセスは愛のために王族の肩書きを諦める」とのタイトルで配信。記事では「愛のために、プリンセスは東京にある広大な宮殿や皇室費を手放し、もっと控えめな家に引っ越して税金を払い始めることになる」と、少し俗っぽい感じで紹介している。
アイルランドのインディペンデント紙は、「プリンセスの婚約は日本の王位継承議論を再燃させるかもしれない」というタイトルを付けてはいるが、当たり障りのない記事を載せている。英国のガーディアン紙は「日本の天皇家では、女性皇族が恋に落ちる代償は大きい」とした上で、「男性のみの王位継承の議論を再燃させている」と指摘する。
さらに、インドのアウトルック誌は、「ちょうど叔母(黒田清子さん)と同じように、日本のプリンセスは一般人と結婚して王族の地位を失う」という記事を掲載している。フィリピンのインクワイヤラー紙は、眞子さまが一般人との結婚で皇室を抜けると報じられていることで、「このニュースはショックなものだが、この話によって、日本の王位継承における男女同権の議論になっている」と書く。日本でも世界でも、今回のニュースはショックとは受け止められていないが、フィリピンではショックなのだろうか。記事を読んでもその真意は分からない。
関連記事
- なぜ“普通のオトコ”は、なかなか見つからないのか?
「彼女がほしいのに、なかなかできない」と悩んでいる男性も少なくないはず。会社の女性には声をかけにくいし、飲み会に参加してもなかなか結果がでない。そうした悩みに対し、恋愛マーケティングの専門家に話を聞いた。全3回でお送りする。 - なぜ恋人ができないのか? 若者の間で広がる面倒な関係
若者の間で「彼女ができない」人が急増している。昔に比べ、「異性の人と話すのは苦手」といった人は減ってきているように思うが、なぜ恋人ができないのか。その原因について、若者事情に詳しい博報堂の原田曜平氏に聞いた。 - 実は怖い、インド便のトイレ
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.