スシロー、「王道ネタ」と「宅配」で新たな客握る:アナゴ・ウナギを100円で(2/2 ページ)
回転ずしチェーン最大手のあきんどスシローが、アナゴやウナギなどの王道ネタの投入と1皿90円の「創業祭」実施を発表。さらに6月から始めたデリバリーの取り組みで、新規客の獲得を狙う。
宅配と都心型店舗で握る新たな客層
こうした従来の店舗集客に加え、新たに始めるのが宅配だ。
スシローは6月5日、フードデリバリーサービス「Uber EATS」を使い、東京都内の都心型2店舗、南池袋店と五反田店で宅配を開始した。狙うのは、都心の1人暮らし層やオフィスでの需要。初日には20件近いオーダーが入ったといい、「都心での宅配すしのニーズはある」と自信を見せる。
7月からは東京・世田谷の店舗でも「楽びん!」経由で出前を開始し、あまりスシローに来ていないファミリー層をターゲットにする。外部の宅配サービスを活用するため、人件費や現場の負担は増やさず、売り上げ増を見込める。
宅配進出の背景の1つには、「中食」(弁当や総菜をスーパーやコンビニで購入し、家で食べる)市場の成長がある。スシローでは、郊外店舗では持ち帰りを注文する利用者も少なくないが、都心型2店舗ではほとんどいないという。
「中食は今後大きく伸びていくが、現状中食業界の中でおいしいすしが提供されているとは思っていない。おいしいすしを家庭やオフィスで楽しんでもらえる環境を作りたい。中食専門店を始めるつもりはないが、実店舗のキッチンをフル活用し、持ち帰りの進化形の1つとしてデリバリーを行っていく」(水留社長)
スシローの出店戦略は郊外を中心としており、現在都心型の店舗は都内の2店のみ。この2店を足掛かりにして都心市場の開拓を進めていく。都心型店舗の新規開店も計画しており、今期35店舗の出店計画のうち、3〜5店舗は東京や大阪の都心に出していく予定だ。
関連記事
- 回転ずしのスシロー、再上場決定 3月30日に
回転ずしの「スシロー」が約8年ぶりに再上場。 - スシロー、世界の厳選ネタを「100円」で その狙いは
すしチェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローは、海外からの食材調達を強化し、食材の安定供給を目指すほか、品質をより向上させる。 - 牛丼も好調! くら寿司、“外食の何でも屋”を目指す
60〜70種類の本格的なサイドメニューを提供するくら寿司。「何屋さんか分からない」と言われることが多くなったが、実際同社は“外食の何でも屋”を目指しているという。 - 「古い」「ださい」脱却できるか「かっぱ寿司」 創作メニューに注力「これからは話のネタも作っていく」
カッパ・クリエイトは回転すしチェーン「かっぱ寿司」のリブランディング戦略について発表。「おいしいネタ、はなしのネタ」を新コンセプトに創作メニューに力を入れる。 - 「かっぱ寿司」、赤字転落へ
「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトが赤字転落へ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.