共謀罪で露出が増えるスノーデンは英雄なのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/6 ページ)
NSAの機密情報を暴露したエドワード・スノーデンの名前をよく目にする。かつて日本で暮らし、日本文化が大好きだという彼は、海外でどんな評判なのか。また彼が語っている話は、どこまで信ぴょう性があるのか。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
最近、エドワード・スノーデンの名前を、日本でも改めて目にするようになった。
スノーデンは言うまでもなく、元CIAの職員で、NSA(米国家安全保障局)でも勤務経験があり、NSAの機密情報を大量に盗み出して暴露した内部告発者である。現在はロシアに暮らしながら、世界中でさまざまな取材などに応じ、活動家として活躍している逃亡犯だ。
これまでスノーデン関連本は内外でいくつも出版されているが、最近なぜ日本でよく名前を見るようになったかといえば、米国のオリバー・ストーン監督の『スノーデン』という映画が公開されたことや、最近日本に言及する発言が増えていたということがある。特に日本で議論が進む「共謀罪」にからめてスノーデンの名前が取り上げられるケースも見受けられる。
スノーデンは共同通信の取材に、「参院で審議中の『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、個人情報の大規模収集を公認することになる」と警鐘を鳴らしたという。また「テロ行為とされる『該当犯罪』は現行法でも取り締まることができる」ことから、共謀罪には反対だと語っている。
メディア関係者と話をしていると、スノーデンとは、国家に毅然と立ち向かった内部告発者、というイメージをもっている人も少なくない。確かにそれは間違いないのだが、一方で世界的には彼に対する否定的な見方もある。かつて日本に暮らし、日本文化が大好きだというスノーデンとは、一体何者で世界的にどんな評判なのか。また、最近彼が日本について語っている話は、どこまで信ぴょう性があるのか見てみたい。
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