低迷「巨人」の責任は、誰にあるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
かつて常勝軍団だった巨人が、危機に瀕している。球団史上ワーストの12連敗を喫し、借金も「9」まで膨れ上がった。チーム低迷の要因はどこにあるのか。高橋由伸監督だけでなく、球団フロントにも責任があるはずだ。
ファンの間で「仏像監督」の声
このように感じているのは、言うまでもなく筆者だけではない。試合中、積極的に動く様子がほとんど見られないことから高橋監督がファンの間で「仏像監督」と揶揄(やゆ)されている話は一部メディアで報じられ、ネットユーザーの間でも広まりつつある。選手たちだっていくら懸命にがんばっても指揮官がこういう調子ではやる気を失ってしまっても不思議はない。
そして、前述した7日の西武戦後のコメント。「球団史上ワーストの12連敗にも落胆することなく務めて前向きに飄々(ひょうひょう)と語った」と言えば聞こえはいいかもしれない。しかし大変申し訳ないが、そうは思えなかった。開き直って、投げやりになってしまっているとしか感じ取れないような言葉だった。
実際、ネット上でもこの指揮官の発言に賛同する書き込みは皆無に等しく、逆に強く反発する声が大多数を占めていた。当たり前だ。全員とは言わないまでも、おそらくメディアの報道を目にするであろう何人かの選手たちもネットユーザーたちと同じ人間。彼らが、自分への発言を見聞きしてどのように感じるのか。高橋監督は、何も考えていないのだろうか。もしそうならば、残念ながらチームを預かる現場トップとして不適格と言わざるを得ない。
高橋監督は3年契約で就任2年目。もう新人監督としての猶予は昨季で終わった。今季以降は結果が出なければ、とことん叩かれる。それがプロの宿命だ。しかも読売巨人軍という世間からも大きな注目を浴びる球団の監督を引き受けた以上は、それなりの覚悟を持っているはず。だからこそ、その責任を果たさなければいけないし、もっと気概を見せなければならない。
「仏像監督」やら「やる気のないコメント」などと突かれた挙句、底なしの連敗地獄にハマってしまっては選手だけでなくファンだって離れていってしまう。チームがこんな苦境に立たされてまで仮に「感情を露にしないことが現役時代からの自分の美学であり、ポリシーなんだ」とこだわりを捨て切れずにいるとするならば、今すぐ辞表を出したほうがいい。
では、チーム低迷の要因は高橋監督だけに問題があるのだろうか。球団フロントにも大きな責任があるはずだ。
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