携帯各社、17年も富士山頂をLTEエリアに:SNSなど利用しやすく
7月1日に予定されている富士山の山開きを前に、携帯電話事業者(キャリア)が山頂や登山道でデータ通信サービスを提供することを発表した。
携帯電話事業者各社が6月26日、富士山の山頂や登山道での通信サービス提供をそれぞれ発表した。富士山は7月1日に山開きを予定しており、国内旅行者や訪日外国人客が増加するとみられる。風景の写真などをSNSなどで共有するニーズが高まることなどを想定し、無料Wi-Fiの提供や4G LTEのエリア化などを行っていく。
KDDIは、7月4日〜8月下旬にかけて、富士山頂での4G LTEのエリア化を実施。登山口と登山道は年間を通じて4G LTE通信を提供しているため、開山期間中は富士山の全域で高速通信が可能になる。
また、同社傘下の通信事業者ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、7月1日〜9月上旬にかけて無料Wi-Fiサービス「富士山 Wi-Fi」を提供する。富士山内の全ての山小屋を含む全49カ所に加え、富士山静岡空港(静岡県牧之原市)で無料のWi-Fi通信を可能にするもので、他社製品のユーザーも利用可能。地域活性が狙いという。
大規模災害発生時に使用できる統一ネットワーク「00000JAPAN」にも対応しており、有事の際の通信手段としても活用できるとしている。
ドコモは急病人対応のトライアルを実施
NTTドコモは、7月10日〜8月下旬にかけて、富士山頂で「PREMIUM 4G」のエリア化を実施する。通常のLTEを強化したもので、山頂でも受信時最大682Mbpsの高速通信が可能という。登山口・登山道での通信速度も337.5Mbps〜450Mbpsと高速化し、さらなる通信環境の充実を図る。
ドコモユーザー以外でも利用できる無料Wi-Fiも、7月上旬〜9月10日にかけて山小屋などで提供していく予定。
また、外国人登山者の急病時対応を目的に、五合目総合管理センター、七合目救護所、八合目救護所などで、タブレットを活用した映像サービス「みえる通訳forビジネスプラス(医療通訳プラン)」のトライアルを実施する。
アプリをタッチすると医療通訳オペレーターに接続し、リアルタイムで指示が受けられるもので、英語、中国語、韓国語に対応しているという。
ソフトバンクは17年の対応は未発表だが、16年には富士山頂と登山道をLTE対応エリアとして通信サービスを提供。17年も何らかのサービスを展開するとみられる。
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