“一瞬で現金に変えられる”うたう質屋アプリ「CASH」登場:審査手続きなしの少額キャッシング
“デジタル質屋”のアプリ「CASH」がサービス開始。審査・手続きなしで最大2万円を引き出せる少額キャッシングサービス。
インターネットベンチャーのバンクは6月28日、「目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる」をうたうスマートフォンアプリ「CASH」(iOS)を公開した。審査・手続きなしで最大2万円を引き出せる、「デジタル質屋」のような少額キャッシングサービスだ。
保有するアイテムを撮影し、商品カテゴリーやブランド名を入力してアプリに登録すると、その商品の買い取り査定価格が表示される。そこで「キャッシュにする」を選択すると、審査・手続きなしで、銀行口座かコンビニ出金による出金(現金化)ができる。対象となっているのはブランド品のほか、スマートフォンのガジェットなどもある。取引の上限金額は2万円。
特徴的なのは、アイテムを送る前に現金を受け取れること。現金化した後は、2カ月以内に「キャッシュを返す」(返金)か「アイテムを送る」のどちらかを選択できる。キャッシュを期限内に返した場合はアイテムを送る必要はないが、返金手数料として15%がかかる仕組みだ。
貸し倒れ対策の一環として、携帯電話の番号による認証(SMS認証)を行うという。だがネットでは、審査なしの少額キャッシングサービスに伴うリスクを危惧する声も多い。また、現状は登録に際し画像認識などは行っていないため、無関係のアイテムを登録するユーザーも確認されている。その一方で、一般消費者向けのキャッシングフィンテックサービスの登場を評価する声もある。
「とにかくシンプルに、簡単に、できるだけ多くのみなさまへキャッシュをご提供する機会を作り、新しいチャレンジや一歩、そして楽しみを作るお手伝いを実現できますよう、サービス展開をしていきたい」という。Android版も近日公開予定。
バンクは、ECを簡単に始められるサービス「STORES.jp」を運営するブラケットの取締役会長である光本勇介氏が新規に立ち上げた企業。ブラケットは2013年に「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの子会社となり成長。16年にMBO(マネジメント・バイアウト)で独立している。
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