鉄道係員への「暴力」、2年連続で減少 原因は飲酒が最多:啓発ポスターなどが抑止効果
鉄道係員に対する暴力行為は、2016年度はどの程度発生したのだろうか――鉄道事業者計34社調べ。
JR・私鉄・公営鉄道34社はこのほど、2016年度に発生した鉄道係員に対する暴力行為に関する調査結果を発表した。調査によると、16年度の暴力行為の件数は前年度から80件減の712件で、2年連続の減少となった。
鉄道事業者各社は、「全国で啓発ポスターの掲出、警察官の巡回や警備員の配置、駅係員の研修などの取り組み、監視カメラの駅構内・車内への設置などを行ったことが抑止に大きく寄与した」とみている。
鉄道係員に暴力行為を行った加害者のうち、酒気を帯びていた人は前年度から45件少ない440件で、全体の62%を占めた。
月別では、夏季休暇・冬期休暇を取得する人が増える8月と12月に突出して多く、それぞれ67件、70件発生していた。例年はゴールデンウイークがある5月の発生件数も多かったが、16年度は55件と比較的少なかった。
曜日別では、日曜日の発生件数が118件でトップ。月曜日〜水曜日は100件に満たないものの、木・金曜日がともに117件と多く、週末が近づくにつれて暴力行為の件数が増えることが浮き彫りになった。土曜日は99件にとどまっていた。
時間別では、午後10時〜翌午前5時の発生が260件でトップ。遅延などが原因でトラブルに発展することが多い、朝の通勤ラッシュの時間帯を上回った。
調査結果を総合すると、飲み会が増える時期や時間帯に暴力行為の発生が集中しており、「暴力行為と飲酒に相関関係がみられた」としている。
鉄道事業者各社は、「暴力行為に対して鉄道業界全体が結束し、毅然とした態度で対応することを引き続き強く訴えていく」としている。
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