大人になったら使わないのに、なぜ私たちは「分数」を学ぶのか:水曜インタビュー(算数公演)(1/6 ページ)
社会人になって「微分・積分や二次関数」を使ったことがある人は少ないはず。いや、ひょっとしたら、小学校の低学年で学ぶ「分数の足し算」も使ったことがないのでは。大人になっても使わないのに、なぜ私たちは「分数」を学んできたのか。その理由は……。
いきなりで申し訳ないが、分数の計算をしていただきたい。5分の3+3分の1は?
「な、なんだよ。バカにしやがって。答えは15分の14だろ」と思われたかもしれない。正解である。では、次の質問。なぜ、私たちは「分数の足し算」を学ぶのか?
「えっ、ちょ、ちょっと待ってくれ。えーと、うーん……」と困ったかもしれない。ザ・文系の記者もそうである。オフィスで隣の席に座っているK嬢にも聞いたところ、同じようにオロオロしていた。ちなみに、彼女は偏差値70の文系大学を卒業している。優秀なのである。それでも、質問に答えることができなかったのだ。
数学を苦手にする人の多くは、このようなことを考えたことがあるはず。「微分・積分なんて、二次関数なんて、日常生活に役立たないよ」と。そして、いまこのように感じているかもしれない。「分数の計算も、社会人になったら使わないよ」と。本当にそうなのか。かつて、分数は小学4年生で習っていたが、いまは2年生で学ぶ。2年生の子どもに「分数って、大人になったら役立つの?」と聞かれて、あなたはどのように答えるのか?
少し前のワタクシだったら「ゴニョゴニョゴニョ」と誤魔化していたが、いまは違う。胸を張って、堂々と、大声で回答できるのだ。なぜか。「大人のための数学教室 和(なごみ)」を運営する堀口智之社長に、納得いくまで話を聞いてきたからだ。
大人のための数学教室は開校以来、生徒数がじわじわと増え続け、現在は約400人が通っているという。普段、統計学などの難問に対応している堀口先生は「分数の計算を学ぶ理由」について、どのように答えたのか。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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