サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか:水曜インタビュー劇場(すみません公演)(1/5 ページ)
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。
「大事な書類をなくしてしまった」「ミスで会社に損害を出してしまった」――。仕事をしていて、大きな失敗をしたことがある人も多いのでは。そんなとき、どうすればいいのか。
パナソニックを一代で築き上げた、松下幸之助のように「失敗したところでやめるから失敗になる。成功するまで続けたら、それは成功になる」と言ってくれればいい。しかし、世の中にはそんな悠長に構えてくれる人ばかりではない。「すぐに、謝りに来い!」と怒鳴られた場合、どうすればいいのか。
そんな人にオススメの商品がある。「切腹最中(せっぷくもなか)」だ。JR新橋駅から徒歩10分ほどのところに「新正堂(しんしょうどう)」という和菓子屋があって、そこで販売しているわけだが、平日にもかかわらず店の前にはサラリーマンの行列ができることも。目当ては、もちろん切腹最中である。
謝っても許してもらえそうもない、どうしよう――。このような状況に追い込まれたサラリーマンが、最後の手段として切腹最中を持参するのである。もちろん、手土産を持参したからといって許してもらえるかどうか分からないが、藁(わら)にもすがる思いで店の暖簾(のれん)をくぐっていくのだ。
ここで疑問がひとつ。お詫びの気持ちを伝えるために購入する人が多いそうだが、新正堂に聞いたところ「そんな目的でつくったわけではない」という。では、なぜこのような動きが広がったのか。また、大々的にPRをしていないのに、多い日になぜ7000個以上も売れるのか。2つの謎を解くために、同店の渡辺仁久社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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