17年の転職市場、下半期も求人増 企画職など需要高まる:サービスに付加価値与える人材が人気
2017年下半期の転職市場では、どのような業種・業界で求人が増加するのだろうか――パーソルキャリア調べ。
人材サービス大手のパーソルキャリア(インテリジェンスから社名変更)が発表した転職市場予測によると、2017年下半期(7〜12月)の求人数は上半期に引き続き増加傾向にあり、転職希望者に有利な売り手市場が続く見込みという。
業種・業界別では、「企画・マーケティング」「クリエイティブ」「人事・経理・法務」「電気・機械」の4分野で求人が特に増加するとみている。
企画・マーケティング分野で求人が増える理由は、AI(人工知能)などのテクノロジーが発展し、実用段階に達したためという。従来は研究部門や管理部門など、特定の人材だけがテクノロジーの開発・導入に携わっていたが、今後は現場で「AIやビッグデータを活用してどんなビジネスを展開するのか」「IoT(モノのインターネット)や自動運転を推進して何を実現するのか」など具体的なアイデアを考案できる人材が求められるとしている。
クリエイティブ分野では現在、大手Webサービス企業が新規事業に領域を拡大しているほか、アパレル業界を中心に自社でEC(インターネット通販)サイトを立ち上げる動きが盛んになっているという。そのため、アクセス数や来訪者数、新規ユーザーの割合などをチェックしながらサイトを成長させられる「数字に強いクリエイター」が強く求められているという。
人事・経理・法務など管理部門では、少子高齢化による労働力人口の減少、労働環境の改善(働き方改革)、海外から新規参入してくる企業への対応――など、国内企業で山積している課題を解決できる人材が求められている。中でも、経営層や企画部門と協力し、人員計画や組織計画をスピーディーに構想できる人材へのニーズが高まっているという。
電気・機械分野では、自動車部品、産業機械、電子部品などの業種を中心に、エンジニアのニーズが高まっているという。40〜50代の“ミドル層”や、外国籍のエンジニアの転職も以前より増えるとみている。
パーソルキャリアは「転職希望者は、こうした企業や業界をとりまく環境変化を踏まえ、自分は入社後にどのように貢献したいのか、どのように価値発揮をしたいのかという見解が話せるようになると、より希望に沿った転職が実現できる」と提言している。
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