連載
業績好調のサイゼリヤ 成長の理由は?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/3 ページ)
サイゼリヤの業績が好調だ。国内既存店の売上高は13カ月連続で前年同月比プラスとなった。成長要因について外食ジャーナリストの長浜淳之介氏が読み解く。
イタリアンファミリーレストランチェーン、サイゼリヤの業績が好調だ。新規出店で売り上げが伸びているだけでなく、既存店の底上げもうまくいっている。既存店の売上高は2016年6月から13カ月連続でプラス(前年同月比)である。
17年8月期第2四半期決算によると、半年間の国内売上高は559億2000万円(前年同期比3.2%増)、営業利益32億3600万円(同60.0%増)。国内店舗数は1034店となっており半年で6店増えた。顧客からの厚い支持を裏付けている。
近々発表される第3四半期決算も期待できそうだ。
サイゼリヤの最大の特徴といえば、圧倒的な安さである。同じ業態であるガストの顧客単価が約850円なのに対して、サイゼリヤは726円。大手ファミレスの中でも断然の安さとなっている。
この低価格には理由がある。サイゼリヤ創業者の正垣泰彦会長が67年に千葉県市川市で1号店をオープンした当時、目につきにくい立地だったため集客に苦戦したそうだ。
メニューの価格を半額にしてみたが、それでも顧客が来なかったので、さらに7割引にした。すると、大行列ができるほどの繁盛店となったのだ。1日に20人しか来なかった店に、800人も来るようになった。1つの店でさばき切れないので、周囲に店舗を増やして、多店舗化に成功した。
関連記事
- 「はま寿司」が急成長! 「かっぱ寿司」を追い越せた理由
「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」を抜き、店舗数でトップに立った「はま寿司」。脱落しつつあるかっぱ寿司とは何が違うのか。外食ジャーナリストの長浜淳之介氏が読み解く。 - 居酒屋「塚田農場」の“弁当”が絶好調の理由
居酒屋「塚田農場」(エー・ピーカンパニー)の弁当が売れている――。居酒屋チェーンが弁当事業を手掛けて成功した例を過去に聞かないが、なぜ同社は成功しているのだろうか。 - ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
カレー専門店の圧倒的シェアを誇り、独走を続けるCoCo壱番屋(ココイチ)。近年、そんなココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているのをご存じだろうか……。 - 地方のフードコートでも行列 「いきなり!ステーキ」の快進撃が止まらないワケ
高級ステーキを安価で提供する「いきなり!ステーキ」は破竹のような勢いで快進撃を続けている。実は最近、ショッピングモールのフードコードでも絶好調らしい……。 - オリジンでちょい飲み なぜ「オリジン弁当」をやめるのか
長年親しまれてきた「オリジン弁当」は、リブランディングによって、装いも新たに「キッチンオリジン」へ、看板もメニューも再構築されつつある。その理由とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.