勢いがあるのはどっち? 三軒茶屋VS. 下北沢:世田谷区の人気タウン(2/3 ページ)
三軒茶屋駅と下北沢駅は双方とも同じ世田谷区にある。両駅とも個性的なスポットとして人気があるが、街の勢いはどちらにあるのだろうか。比較してみた。
交通面では新宿、渋谷に行ける下北沢がやや有利か
三軒茶屋と下北沢の、それぞれの交通網上の優位性はどうだろうか。まず三軒茶屋駅は、東急田園都市線の急行停車駅である一方、東急世田谷線の始発駅でもある。
世田谷線は、京王線の下高井戸に向かう路面電車規格の電車である。世田谷線への乗り換えスポットとしても、三軒茶屋駅は機能している。京王線の他にも、世田谷線の山下駅から、小田急小田原線の豪徳寺駅へも乗り換えることが可能だ。
田園都市線は、渋谷から東京メトロ半蔵門線に乗り入れ、さらに押上駅から東武線に乗り入れる。表参道駅では東京メトロ銀座線に同一ホーム上で乗りかえることができ、銀座線は虎ノ門駅や新橋駅、三越前駅、上野駅、浅草駅へと向かう。
半蔵門線は、永田町駅、神保町駅、大手町駅を経由する。この2つの路線で、都内の大多数の部分を確保できてしまうのだ。なお、三軒茶屋駅からは、田園都市線に並行して渋谷駅に向かうバスも多く発車している。
一方、下北沢駅は、小田急小田原線と京王井の頭線が交わる場所にある。京王井の頭線は、吉祥寺駅と渋谷駅を結んでおり、どこにも乗り入れていない。ただ渋谷駅では、JR山手線、東急田園都市線、東横線、東京メトロ副都心線、半蔵門線、銀座線と乗り換えることができる。
小田急小田原線は、新宿駅へ向かう電車と、代々木上原駅から東京メトロ千代田線に乗り入れる電車がある。こちらは赤坂駅や国会議事堂前駅、霞ケ関駅、大手町駅などへ向かうことができる。乗り入れの利便性もさることながら、新宿駅へ乗り換えなしでアクセスできることは大きい。
そして小田急線では、下北沢駅は快速急行や急行も停車する。このことが、下北沢駅の利便性をさらに高めている。小田急小田原線と京王井の頭線の2つの路線があることで、渋谷駅と新宿駅という、東京でも有数のターミナル駅に乗り換えせずにアクセスすることが可能だ。ちなみに、この三軒茶屋駅と下北沢駅を結ぶバスもある。駒沢陸橋から三軒茶屋駅を経由し、下北沢駅近くにある北沢タウンホールを結ぶ小田急バスの路線は、おおよそ12分に1本程度ある。
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