なぜ渡辺謙さんは「不倫謝罪会見」をこのタイミングで開いたのか:スピン経済の歩き方(3/5 ページ)
7月15日、俳優の渡辺謙さんが「不倫謝罪会見」を開いた。4カ月も逃げ回っていたのに、なぜこのタイミングで会見を開いたのか。背景にさまざまな大人の事情がからんでいて……。
謝罪会見は贅沢な「番宣」
そんな『定年女子』の第1回目の放送が終わった6日後、第2回目オンエア前日に、リアル夫がマスコミの前で浮気を認める。しかもそれはあの「世界のケン・ワタナベ」であれば、話題は抜群だ。ここまで贅沢(ぜいたく)な「番宣」はない。
「そんなのたまたま時期が重なったからに決まっている」という人もいるだろうが、今回の「不倫謝罪会見」のなかでは、このドラマの「援護射撃」に見えてしまうような言葉が随所でリピートされている。
謝罪会見というものは、頭を下げることだけが目的ではない。集めたメディアを介して、社会や取引先に対して、「これだけは言っておかなければ」というメッセージを伝えなくては会見を開いた意味がない。我々の世界では、それを「キーメッセージ」と呼んでいるのだが、今回の謙さんの場合、南さんとどのような話をしているのかと問われた際、繰り返した以下のような回答がそれにあたるのではないかと思っている。
「こんなことであなたが積み重ねてきたものが消えるわけではないから、頑張ってね」と言ってくれました。
先ほど話しましたけど「今までやってきたことは、こういうことでは消えないから頑張ってね」という言葉はありがたかったですね。
この言葉から、南さんは今回の夫としての「裏切り」を完全に許してはいないものの、俳優・渡辺謙の仕事は高く評価して、応援をしていることが伝わってくる。
実は先ほどの『定年女子』のWebサイトによると、南さんの役柄は、「根っからの仕事人間」で会社を辞めた後も「誰かの『助け』になりたい」というキャラクターらしい。自身も辛いはずなのに、俳優としてのダメージを懸念して、励ましの言葉をかける南さん自身の気丈な姿と妙に重ならないか。
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