ずーっと苦戦したローソンの焼鳥が、今年になって売れ始めた理由:水曜インタビュー劇場(酉年公演)(1/5 ページ)
ローソンが1月に発売した「でか焼鳥」が売れている。これまで何度も焼鳥に挑戦したものの、なかなかヒットしなかったのに、なぜこの商品は売れたのか。担当者に話を聞いたところ……。
2017年の干支はなーんだ。
「な、なんだよ、いきなり。えーと、酉だな」と思い出されたかもしれない。正解である。
今年の干支が「酉年」であることにちなんで、ローソンは1月に焼鳥を発売した。その名は「でか焼鳥」(127円、税込)。従来品より20%ほど大きくしたにもかかわらず、価格は3円安くなっていることもあって、社内からは「ひょ、ひょっとしたら売れるかも」といった声があったそうだ。
「な、なんだ、弱気な発言だな。『絶対に売れる!』とハッキリ言えばいいじゃないか」と思われたかもしれない。なぜ堂々と言うことができなかったかというと、ローソンはこれまで何度も焼鳥にチャレンジしてきたが、ヒット商品を生み出すことができなかったからである。成功体験がなかったので、担当者からも「売れたらいいね」といった感じで、弱気の発言が出ていたのだ。
しかし、「ひょっとしたら……」と期待を寄せていた。なぜなら前回の酉年だった05年は「からあげクン」の売り上げが、前年比で15%アップしたから。その年、さまざまな企画を打って出たところ、累計販売が1億食を突破するなど、大きく飛躍したのである。二匹目のドジョウ……いや、二羽目の鳥を狙って「でか焼鳥」を発売したのだ。
で、結果はどうだったのか。順調に……どころか、予想以上に売れている。16年11月に中部地区限定で試験販売したところ、目標の1.5倍も売れた。その勢いは衰えず、1月に全国販売したところ、かつて経験したことがないペースで売れているのだ。
ローソンはこれまで何度もチャレンジしてきたのに、なぜでか焼鳥は売れているのか。その秘密を探るために、商品本部の東條仁美さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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