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上西議員のツイート、海外メディアの幹部が驚いた2つのこと赤坂8丁目発 スポーツ246(3/3 ページ)

上西小百合議員のツイートが、炎上商法ではないかと疑念を向けられ、世間から大きなひんしゅくを買っている。サッカーJ1リーグ、浦和レッズのサポーターと激しい火花を散らし合ったわけだが、海外メディアの幹部はこの事態をどのように見ているのか。

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もう1つの驚きとは

 では「2つの驚き」のうち、もう1つは何だろう。

 「日本のメディアの姿勢だ。これだけチープな話題を何度も繰り返すことは報道全体の品位を大きく低下させることにつながる。この議員がサッカーのクラブチームに暴言を浴びせ、ファンの反感を買ったところまでは現象面として報道してもいい。だが、この議員がツイートで注目を集めようとしている疑惑が出た時点で、各メディアは一斉に無視するべきだろう。

 この議員を中心にスポットライトを当てて報じ続けていけば彼女にのみ主張の場を与えることになり、反感を覚えるファンの意見はほとんど反映されないので、完全な偏向報道になってしまう。この騒動に関する日本のメディアの報道姿勢は非常に不可解だ」

 筆者も同感だ。今回の騒動によって浦和レッズのサポーターの方々はとても嫌な気持ちになったはず。いや、それ以外のスポーツをこよなく愛する人々もプレー以外の部分において何も生まれることのないバトルを見せ付けられたことできっと虚無感にさいなまれたと思う。

 日本の大手メディアも、ただ面白おかしいからと先々を考えずやみくもに何でも話題を取り上げるのではなく、『ESPN』の幹部が指摘したように、有益な結論に結びつくかどうかを常に念頭に置きながら取捨選択することが必要だ(今後、筆者もこの問題については触れない)。そして、立場のある人間は炎上商法にスポーツを利用してはいけない。利用されて傷つくのはファンであり、当事者の選手たちだからだ。


立場のある人間は炎上商法にスポーツを利用してはいけない

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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