Uberのセクハラ騒動が、私たちに教えてくれたこと:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
世界的なIT企業が集まるカリフォルニア州のシリコンバレーがざわついている。「セクハラ問題」だ。騒動の発端は……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
世界的なIT企業が集まる米カリフォルニア州のシリコンバレーがざわついている。
シリコンバレーといえば最近、米ドナルド・トランプ大統領による移民制限の試みで打撃を受ける可能性が指摘され、大きなニュースになっていた。住民270万人のうち100万人ほど、つまり人口の37.5%は外国生まれの人たちが占め、多くがIT関連企業に勤めている。
だがトランプ政権発足からビザの審査が厳しくなったり、トランプ政権が「スタートアップ・ビザ」(オバマ前政権がゴーサインを出した外国人企業家向けのビザ)を再検討すると報じられたり、現地の関係者を不安にさせている。
そんなシリコンバレーでは、IT関係者の雇用問題よりも深刻なトラブルがあった。「セクハラ問題」である。
騒動の発端は、現地で働く女性たちが次々とセクハラをメディアなどで公表したこと。その後、大きな騒動になっていたが、ここのところ過熱した報道は落ち着きを見せていた。だが7月22日、カナダのグローブ・アンド・メール紙が、日本と中国で育ったアジア系女性がシリコンバレーのIT企業で受けたセクハラを暴露する記事を掲載し、またこの話が蒸し返されることとなった。同様の話は今後も出てくる可能性がある。
ある調査によると、シリコンバレーのIT企業に勤める女性の6割がセクハラを経験しているという。「セクハラバレー」とまでやゆされたシリコンバレーで、いったい何が起きているのか。また現地でセクハラが横行するようになったのはなぜなのか。
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