ダンボール製の「ハコスコ」が、60万個以上も売れたワケ:水曜インタビュー劇場(VRデバイス公演)(1/6 ページ)
ダンボール製のVRデバイス「ハコスコ」が売れている。VR関連のビジネスはたくさん出ているが、マネタイズは難しいと言われている。そんな状況の中で、なぜハコスコは売れているのか。ハコスコ社の藤井直敬社長に話を聞いたところ……。
2016年は「VR元年」と呼ばれていた。ソニー・インタラクティブエンタテインメントが「PlayStation VR」を発売したところ、すぐに完売。このほかにも、米オキュラスの「Oculus Rift」、HTCの「HTC Vive」など高性能なVRデバイスが登場した。そんな盛り上げりを見せていたなかで、記者は従業員8人の会社に注目している。ハコスコ社だ。
14年7月に創業して、VRデバイス「ハコスコ」を発売したところ、たちまち大ヒット。「VRは楽しいけれど、コンテンツが少ないからねえ。なかなかデバイスなんて買えないよ」といった声がある中で、ハコスコは累計60万個以上も売れているのだ。
「ほほー、それはスゴいな。最新のテクノロジーがたくさん搭載されているんでしょ」と思われたかもしれないが、違う。素材はダンボール。それにレンズが付いているだけ。折りたたまれた状態で販売しているので、利用するにはダンボールを組み立て、レンズをはめれば完成する。あとは、スマートフォンを挿入して目の前に構えると、360度で動画を楽しむことができるのだ。
先にご紹介したOculus RiftやHTC Viveは5万〜10万円ほどするのに対し、ハコスコは1200円(税別)。高価なデバイスに比べて没入感は劣るし、ダンボール製なので水に弱い。なによりもチープな感じは否めないのに、なぜ売れているのか。また、紙でできているVRデバイスは他社でも発売しているのに、なぜ会社の売り上げは2〜3倍ペースで拡大しているのか。その秘密を探るために、同社の藤井直敬社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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