訪日外国人がレンタカーで事故りまくっているのは本当か:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
沖縄で外国人観光客によるレンタカー事故が増えている、らしい。現地の琉球新聞がそのように報じたわけだが、関係者に話を聞いたところ、事情はちょっと違うようだ。どういうことかというと……。
日本で外国人旅行者が急激に増えたことで、いろいろな分野で対応に追われているという記事をよく見るようになった。
例えばざっと検索しただけでも、訪日外国人旅行者が旅行保険に加入していないために医療費が回収できないケースがあるといったものから、沖縄では外国人観光客と触れ合った体験談を募集したり、千葉では警察が外国人に「交番だより」を翻訳して提供しているという記事もある。岩手では国際対応にチカラを入れている温泉などがメディアで紹介されている。
ではどれほど外国人旅行者が増えているのか。日本政府観光局によれば、2016年の訪日外国人旅行者は2400万人ほどで、過去5年で4倍に増えている。2017年7月は、単月で過去最高となる旅行者数を記録。外国人旅行者が増えることは経済にとって喜ばしいことだが、その一方でマナーが悪いなどの苦情も聞かれる。
そんななか、外国人旅行者について驚くような記事が報じられている。沖縄の琉球新報は8月21日、「外国人観光客のレンタカー事故が急増 昨年度9648件 左側走行不慣れなどで」という記事を掲載した。記事を引用するとこうだ。
『沖縄を訪れる外国人観光客の増加に伴い、外国人が利用するレンタカーの事故が急増している。県レンタカー協会によると、2016年度の外国人レンタカー利用者による交通事故は15年度から倍増の9648件(速報値)で、1万件に迫る勢いだった。事故の増加率がレンタカー利用客の伸び率を上回る多さとなっている』
数字を見せられてもピンと来ないかもしれないが、実はこの数字はかなり多い。全国で最も交通事故件数が多いのは、愛知県で2016年は4万1551件、最も少ない鳥取県では987件だ。そんな中で沖縄では、外国人がレンタカーで9648件も事故を起こしているというのである。
これが事実だとすれば、沖縄県では大変な事態になっているのではないか。そう考えて、沖縄にいるレンタカー業界の関係者に話を聞いてみると、どうも実態は記事とは違うらしい。いったい何が起きているのか。
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