訪日外国人がレンタカーで事故りまくっているのは本当か:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
沖縄で外国人観光客によるレンタカー事故が増えている、らしい。現地の琉球新聞がそのように報じたわけだが、関係者に話を聞いたところ、事情はちょっと違うようだ。どういうことかというと……。
合法、非合法にレンタカーを借りている
いったいどういうことなのか。業界関係者が言うには「まず考えられるのは、ジュネーブ条約を満たす国で中国人が免許を得ている可能性です。つまり、近隣諸国や米国などに留学や観光で滞在して正当に免許を手に入れている場合があり、それを使っているケースです。それなら合法的に中国人でもレンタカーを借りられる」という。
また別も手段もある。この関係者は「別の中国人がレンタカーを借りて、他の中国人に又貸ししているケースもある。また偽造の国際免許はすぐに手に入れられるようですね」とも話す。実際、メディアでは、偽造のフィリピン発行の国際免許を使ったケースも報じられている。
今後、訪日外国人旅行客がハンドルを握って道路に出ることになる状況を踏まえ、国土交通省は、外国人のレンタカー事故対策に乗り出すと発表している。
訪日外国人観光客の増加は日本にとって素晴らしいことだが、半面、その急激な増加に日本人が振り回されているところもあるようだ。レンタカーでも事故件数云々よりも、直ちに事故を防ぐような対策に動いてほしいものだ。
筆者プロフィール:
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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