訪日外国人がレンタカーで事故りまくっているのは本当か:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
沖縄で外国人観光客によるレンタカー事故が増えている、らしい。現地の琉球新聞がそのように報じたわけだが、関係者に話を聞いたところ、事情はちょっと違うようだ。どういうことかというと……。
もうひとつ気になることがある
もちろんバランスが求められる報道機関として、琉球新報に、訪日外国人旅行者が使うレンタカーによる事故を多く、または大げさに見せたいという意図はないはずだが、誤解されかねない記事ではある。
ただすでに述べた通り、訪日外国人がレンタカーをこれまで以上に使うようになっていることは事実であり、それにともなって右側通行で狭い道の多い日本で事故をしたり、こすったりしてしまう件数が増えているのは間違いないようだ。ただ必要以上に不安感をあおる必要はない。
インバウンドで外国人のレンタカー利用が増えると言われれば、もうひとつ気になることがある。他のどの国や地域よりも日本に最も多く来日している中国人旅行客について、だ。特に中国人旅行者のマナーが悪いことは日本のみならず世界中で報じられているし、中国人に対して悪意は持っていないが、中国からの旅行者がレンタカーを利用するとまたトラブルが起きるのではないかと想像してしまう。
実は、中国の免許では日本でクルマを運転することは認められていない。というのも、中国の免許(国際免許)は、ジュネーブ条約に基づいて発行される国際免許ではないためだ。つまり基本的には、中国の免許保持者が日本でクルマを運転することはない。
沖縄県レンタカー協会の担当者も、「中国はジュネーブ条約に加盟していないため、沖縄のレンタカー業者に中国の免許ではレンタカーを貸し出さないよう徹底している」と答えた。だが実態は、中国人もレンタカーを借りていることが沖縄県の調査で分かっており、2015年だけを見ても、中国人観光客の17.7%がレンタカーを使ったと答えている。
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