京セラが、ダイカスト(鋳造品)大手リョービの電動工具事業を買収する方針を固めたと、一部報道機関が9月2日報じた。
同日付の日本経済新聞によると、京セラは年内の合意を目指しており、買収額は150億円前後になるという。
同紙によると、京セラは現在、事業多角化の一環で工具分野に注力。年3.9%のペースで世界的に拡大を続けている電動工具市場の開拓で成長を目指しており、リョービの中国・大連の工場を取得して海外向け製品の販路を広げる方針という。
リョービの国内向け電動工具事業は、マキタと日立工機に次ぐ市場シェア3位。木材切断用の電子丸ノコ、金属切断用のスチールカッターなどを展開している。
リョービと京セラがコメント
リョービは4日、電動工具事業の譲渡に関する報道について「当社が発表したものではない」とのコメントを発表。「同事業は譲渡を含めたさまざまな可能性を検討しているが、現時点で決定した事実はない。開示すべき事実が生じた場合は速やかに公表する」という。
京セラも、ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し「現時点で発表できる事項はない」(広報室)と答えた。
ただし「当社が現在、M&Aに注力していることは事実。さまざまな事業で案件を進めているが、リョービとの交渉の有無についてはコメントを差し控える」(同)としている。
【訂正:2017年9月4日午後6時30分 初出で「当社が現在、電動工具事業でのM&Aに注力していることは事実。複数の案件を進めているが、リョービとの交渉の有無についてはコメントを差し控える」としておりましたが、京セラ広報室からの申し入れによって該当箇所を変更しました。】
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