タクシーの配車や決済をアプリで DeNAが横浜で実験:迎車地点や目的地の指定も可能
DeNAが、タクシー配車アプリ「タクベル」を活用したサービスの実証実験を横浜市で実施する。乗客の利便性向上とドライバーの業務効率化が狙い。2018年1月以降の実用化を予定している。
ディー・エヌ・エー(DeNA)は9月4日、タクシー配車アプリ「タクベル」を活用したサービスの実証実験を横浜市の一部地域で開催すると発表した。配車依頼、目的地の指定、運賃の決済などをアプリ経由で行うことによって、乗客の利便性向上とドライバーの業務効率化を図る狙いがある。
実証実験は9月12日〜10月31日に、横浜市中区、西区、JR横浜線沿線(東神奈川〜長津田)で実施予定。アプリによる配車に対応したタクシーが1日当たり約100台走行する。
タクベルは、ボタン1つでタクシーを呼べるアプリ。乗客が配車を依頼すると、位置情報をもとに近隣を空車走行中のタクシーとのマッチングを行い、迎車地点を決定する機能を持つ。
担当するタクシーが決定すると、ナンバープレートや到着時間を乗客のスマホ上に通知し、迎車地点でタクシーを見つけやすくする。乗客とドライバーは「5分遅れます」「交通事情により、離れた位置に停車しています」など定型文のメッセージ交換を行い、迎車地点や時間を調整することが可能だ。
配車依頼時にアプリ上で目的地を入力できるため、乗客はドライバーに口頭で行先を指示する手間を省略できる。
運賃の支払い方法は、ネット決済と車内決済を選択可能。ネット決済では、事前にクレジットカードを登録すると自動で支払いが完了するため、目的地到着後にレシートを受け取るだけでスムーズに降車できる。
また、アプリにはドライバー向け機能として、AI(人工知能)を活用した「需要予測機能」を実装する予定。タクシー需要に関する統計情報と、リアルタイムの運行車両データを取得・解析し、タクシーの需要が多い地点の予測情報をタイムリーに提供するもので、空車走行時の乗客獲得をサポートする。
DeNAは実証実験によってサービスの課題点を見いだして改善し、2018年1月以降に実用化する予定。将来的には、神奈川県以外の地域にもサービスを拡大するとしている。
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