核シェルターが売れているのに、なぜ業者は憂うつなのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
北朝鮮が6度目の核実験を実施した。自分の身を守るために「核シェルター」の販売数が伸びているそうだが、業者からは困惑の声も。どういうことかというと……。
北朝鮮が6度目の核実験を実施した。この核実験は大方が予想していたものだが、これによって北朝鮮をめぐる東アジア情勢が不安定になるのは確かだろう。
例えばドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮が挑発を続けるなか、相変わらず中国の責任を主張している。またその矛先は韓国にも向かい始めている。トランプは、北朝鮮の悪態の責任を韓国の責任とも発言し始めているのだ。韓国については、米韓軍事演習で米B-1B戦略爆撃機の派遣を巡って米韓の小競り合いがあったり、米韓の自由貿易協定(FTA)をトランプ政権が破棄すると圧力をかけるなど、米韓関係の悪化で朝鮮半島の緊張がさらに複雑化する可能性が指摘されている。
もちろん日本にとっても他人事ではない。8月29日には、北朝鮮の弾道ミサイルが北海道の上空を通過したあと襟裳岬から1180キロの太平洋上に落下した。もちろんそれ以前から日本は北朝鮮のミサイル射程圏内にあり、いつ攻撃されてもおかしくない状況にあるのだが、29日のミサイルでその現実を多くの人が再確認したはずだ。
ただ幸いなことに、今のところ北朝鮮のミサイルが日本落ちる可能性は高くない。今のうちに、現状でできる対策を推し進めたほうがいい。ミサイル防衛システムの強化や法整備などは、現在の国際情勢をかんがみると日本政府ができる現実的な対策だと言える。2018年度の防衛費が過去最大を更新しそうなので、別の省庁が苦労していると聞くが、安全保障の意味では不可欠だろう。
そこで今、個人としてできる対策として、「核シェルター」が注目されているという。テレビや新聞がこぞって取り上げており、欧米の大手メディアも次々と報じている。どのメディアも北朝鮮の攻撃を恐れて「シェルター」の販売数が増えているという。真偽を確認するために取材をしてみると、業者からは売り上げ増なのに素直に喜べないという意外な声も聞かれた。
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