あの卓球ロボットが進化 ハロもしゃべった:CEATEC 2017(1/2 ページ)
「CEATEC 2017」取材レポート第2弾をお届けする。会場では、オムロンが開発した卓球ロボット「フォルフェウス」や、バンダイナムコグループが展示するコミュニケーションロボット「ガンシェルジュ ハロ」が注目を集めていた。
最新技術が集まる「CEATEC 2017」(千葉・幕張メッセ)では、ロボットやAI(人工知能)関連の出展も目立った。
会場でひときわ注目を集めていたのが、オムロンが開発した卓球ロボット「フォルフェウス」だ。人間と卓球のラリーが楽しめるロボットで、卓球台の上部にボールを見るカメラ1種と人間の動きを見るカメラ2種を搭載。打球の方向を瞬時に検知し、アーム部分に備えるラケットで打ち返す仕組みだ。
フォームや打球速度などのデータを基に対戦相手の実力を見極め、レベルに応じて打球の質を変えることも可能。初心者には遅めのボールを打ってラリーを続けやすくする、上級者には速めのボールを打って駆け引きを楽しませるなど“気配り上手”な点が特徴だ。
14年から4年連続で展示しており、毎年新たな機能を追加している。今回は(1)トスを上げる補助ロボットと協力してサーブを打つ機能、(2)対戦相手の予備動作からスマッシュを予測する機能、(3)対戦相手のプレーを分析し、内容をもとに話しかける機能――の3点を追加した。
卓球未経験の記者が体験したロボットとのラリーでは、打ちやすいコースに配球してくれたほか、「完璧なサーブですね!」などとプレーを褒めてくれ、まるで友人と卓球を楽しんでいるような感覚を味わうことができた。
しかし、オムロンはこのロボットを商品化する予定はないという。
コーポレートコミュニケーション部の大西栄樹氏は「昨今は『ロボットが人の仕事を奪う』などとマイナス面が取り上げられる傾向にある。しかし当社では『ロボットは人のためになる』『人ができることを増やしてくれる』と考えており、人とロボットの適切な関係性を世の中に示すためにフォルフェウスを開発した」と話す。
「ロボット開発で培ったセンシング技術は、ビジネスに役立つサービスに生かしたい。サーブを打つ際に別のロボットが補助する仕組みは、製造現場などで複数のロボットを連携させるサービスに応用したい」(同)という。
卓球ロボットで培った技術を他サービスに生かす
具体的には、自動車の内部にカメラとセンサーを取り付け、ドライバーの瞼の動きや顔の向きなどから健康状態を読み取る「ドライバー安全運転管理サービス」を開発中だ。
分析結果は、ドライバーに通知することでわき見運転や居眠り運転を防ぐことや、管理者に送信することが可能。タクシー会社や物流事業者などでの導入を見込み、18年頃のサービス開始を予定している。
このほか同社ブースでは、センサーで検知した人や障害物を避けながら自走する搬送用ロボットなども展示されていた。
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