そのセルフブランディング、めっちゃ“痛い”ぜ: 常見陽平のサラリーマン研究所(2/3 ページ)
セルフブランディング――。この言葉は誤解されているように思う。自分をよく見せる、背伸びする痛い行為にすり替わってしまった。本当のセルフブランディングとは、自分の仕事の流儀(ルール)を明確にすることだ。
間違ったセルフブランディング
しかし、この言葉は誤解されているように思う。自分をよく見せる、背伸びをする行為にすり替わってしまっている人が多いのだ。SNSで意識の高い発言をしまくる、著名人との接点を自慢する、やたらと肩書を盛る、自分の実績を大きく見せようとする、派手な2枚目の名刺を作る――など、まあ、香ばしい行為のオンパレードなのだ。
そういえば、ノマドのカリスマと言われた女性が「名刺に足立区と書くな」という珍妙なノウハウを開陳していたな。
TwitterなどのSNSのプロフィール欄も味わい深い。
「上場IT企業勤務/慶應経済/社会起業家志望/Stay hungry,stay foolish./ジョブズの再来/勉強会BENKYOなう代表/学生時代にビジコン優勝/Web選挙解禁/人生は実験、冒険/ツイートは所属する団体とは関係ありません/フォロー・リムーブご自由に」
こんなプロフィール欄を見たことがないだろうか。いつの間にかセルフブランディングが、香ばしい、カッコ悪い行為となり、意識高い系の象徴のようになってしまっている。意識高い系ウォッチャーとして、もちろん私は面白がり、徹底的にバカにした。
もっとも、やり方が問題なのであって、自分をブランド化しようとすることは全く問題ない。痛くならないように、気を付ければ良いだけだ。
そのためには、うわべの取り組みではなく、自分の仕事の流儀(ルール)を明確にして実践し、会った人から「この人はスゴい」と思ってもらう必要がある。もちろん、それが簡単なことではないから、上記のようなプロフィールを書いてしまうのだが。
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