次どうするのか 絶対に負けられないボクサーの村田諒太:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
10月22日、ボクシングの村田諒太が王者のアッサン・エンダムに挑む。因縁のリマッチになるわけだが、村田はどのような思いで戦い、対戦後はどのようなプランを考えているのか。
世界的プロモーターも高く評価
村田は悔しさも覚えているはず。自身の世界戦敗退後、帝拳ジム所属の先輩たちが次々と辛酸を舐めさせられているからだ。
「ボンバーレフト」で知られる三浦隆司は、7月の世界戦でWBCスーパーフェザー級王座奪還に失敗し、現役を引退。8月には「ゴッドレフト」の山中慎介が12回連続防衛記録を保っていたWBCバンタム級王座から陥落した。しかも、その山中を破って新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)にはドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が示される問題が発覚した。
大きな注目を浴びた世界ミドル戦で勝てず、それによって帝拳ジム全体の勢いを失速させた責任を村田は痛感している。次のリマッチはそれらのモヤモヤをすべて払拭(ふっしょく)し、再び「チーム帝拳」を上昇気流に乗せるラストチャンスと考え、燃えに燃えているはずだ。
王座奪取がすべてではない。その先のシナリオも村田は陣営と描いている。ボクシングの本場、米国ラスベガスへの再進出だ。過去にも2度、村田はラスベガスの舞台で戦っている。前回は2016年7月23日、MGMグランド・ガーデン・アリーナのリングに上がり、ジョージ・タドニッパ(米国)を相手に初回1分52秒TKO勝ちを収め、圧巻の内容で世界のボクシング関係者にも強烈な印象を残した。
バックアップ体制も完璧だ。村田のラスベガス進出をサポートするのは、ボクシングプロモーションを手掛ける「トップランク社」。かつてはモハメド・アリやオスカー・デ・ラ・ホーヤらボクシングファンならずとも知っているであろう大物プロボクサーのプロモートやマッチメイクを手掛け、現在もマニー・パッキャオ(フィリピン)ら数多くのスーパースターが契約を結んでいる。
前回、ラスベガスで登場した村田はセンセーショナルな形でのKOショーを繰り広げ、トップランク社の世界的プロモーターとして辣腕(らつわん)を振るい続けているボブ・アラム氏からも「リョウタはコンプリートファイターに成長した」と大絶賛された。この世界的プロモーターの村田評が米スポーツ専門局『ESPN』など米メディアで報じられた点を考えても、リップサービス抜きの正当評価であったことは明らかだろう。
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