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“泥試合”を強行した日本のプロ野球は、やっぱりおかしい赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

10月15日、甲子園球場がある兵庫県西宮市は雨。グラウンドに水たまりがたくさんあるなかで、阪神対横浜のクライマックスシリーズは行われた。レギュラーシーズンであれば「中止」レベルであるにもかかわらず、なぜ試合は行われたのか。その裏には……。

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「CS批判」を避けるために

 しかしその16、17日の両日も試合中止になると、18日に1日だけ組み込まれていた予備日に第2戦を行う必要性はなくなる。すでに第1戦で勝利を収めて1勝0敗となっている阪神は仮に予備日に第2戦を行ったとして勝てば2勝0敗で文句なしのCSファイナル進出だった。そして、たとえ引き分けでも1勝1引き分けでDeNAの星勘定を上回れる。

 負けて1勝1敗でDeNAとタイになったとしてもCSファーストステージで引き分けを除いた勝数が同じ場合は「上位球団が勝者。悪天候などで試合が消化できなかった場合も同様」との規定が適用されることになるため、2位の阪神は16、17日の両日が中止となって予備日を迎えた場合は第2戦を戦わずしてCSファイナル進出を決めることもできた。

 とはいえ、このような形でもしCSファーストステージが1戦しか行われず1勝0敗で阪神がCSファイナル進出を果たしたとしたら、どうしても「勝ち逃げ」というイメージがついてしまう感もあった。試合強行の裏には世間から「CSのシステムはおかしい」と批判されることを嫌ったNPBの思惑が見えてくる。

 加えてこのCSファイナル第2戦は試合中にDeNAがリードした5回表終了の時点で雨が一段と激しくなったが、試合開始後の続行や中止を判断する権限を持つNPBの審判員はゲームを中断させながらも盛り土でグラウンドコンディションを整えさせた後、再びプレーボールをかけて強行させている。

 試合開催の決定権を持つセ・リーグの杵渕和秀統括は強行開催と途中での降雨ノーゲーム、もしくはコールドを宣告することなく9回まで強行したことについて「中止の持つ意味が違う。CSの(ファイナルステージへの)進出にかかわってくる。できるだけ試合を行うというのが基本。始まれば9回を目指すのも当たり前。いろいろと意見はあろうかと思うが、トータルで判断した」と述べていた。

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