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“泥試合”を強行した日本のプロ野球は、やっぱりおかしい赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

10月15日、甲子園球場がある兵庫県西宮市は雨。グラウンドに水たまりがたくさんあるなかで、阪神対横浜のクライマックスシリーズは行われた。レギュラーシーズンであれば「中止」レベルであるにもかかわらず、なぜ試合は行われたのか。その裏には……。

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CSが“危険な試合”となりかねない

 メジャーリーグのポストシーズンが日本プロ野球のCSと違って不公平感が漂っていないのは30球団の中から地区優勝チームに加え、それ以外の勝率上位チームに「ワイルドカード」と呼ばれるプレーオフへの出場権利が与えられるシステムが確立されているからである。

 対照的に日本のプロ野球は12球団でリーグ優勝以外にもレギュラーシーズンで2位、3位のチームが勝率5割を切っていても日本一を狙えるという実に歪(いびつ)なシステムだ。多くのMLB(メジャーリーグ機構)の関係者が首をかしげるのも無理はないだろう。

 個人的にはCS開催は今も反対だ。だが今年で11年目に突入し、これだけ人気も定着している以上、全面撤廃はもう不可能だろう。

 いずれにしても今年の“泥試合”の強行に端を発したCS見直しの議論は今後も継続させ、日程面の再考や試合方式の改正などにつなげていく必要性はある。そうでなければCSは単にリーグ優勝チームの権威を落とす可能性のある“危険な試合”となりかねない。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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