「バカ売れ」誕生を予感させる“熱”とは:『バカ売れ法則大全』発売(1/3 ページ)
「バカ売れ」商品を生み出すには何が必要なのか。コピーライターの川上徹也氏によると、商品を売りたい、良さを伝えたい、という「熱」だという。どういうことか。ヒット商品の事例からポイントを聞いた。
「最近の○○ブーム」「意外な○○が大ヒット!」といった言葉を、私たちは毎日のように目にしている。読み流してしまいがちな言葉だが、そのヒットの理由を考えたことはあるだろうか。一方で、どんなに頑張っても売り上げが伸び悩むものも少なくない。そこには、どのような違いがあるのだろうか。
10月14日に発売した『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ)には、ITmedia ビジネスオンラインの人気連載記事を大幅に加筆して収録した。話題になった商品やサービスを取り上げ、その開発の舞台裏に迫っている。
書籍の中で特別インタビューに応じているのが、コピーライターの川上徹也氏だ。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(いずれも角川新書)などの著書がある川上氏によると、ヒットを生み出すために必要なのは「熱」だという。
「売りたい」「伝えたい」強い気持ち
川上徹也氏。コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。大手広告代理店を経て独立。ACC賞、広告電通賞など受賞歴多数。「物語で売る」という方法を体系化、「ストーリーブランディング」という言葉を生み出したことで知られる
『バカ売れ法則大全』に収録しているインタビューでは、昔からある商品やサービスに対し、従来とは一味違う価値を加えて成功した事例として、温泉地や商店街の取り組みを解説してもらった。ニーズがあるものを提供しようと思いがちになる中で、あえてそこを外したアイデアを形にするのは勇気がいる。ヒットに導くためには何が必要なのだろうか。
川上氏は「マーケットを冷静に分析するのも大事ですが、それよりも『どうしても売りたい』『良さを伝えたい』という“熱”が結果を左右するのではないか」と指摘する。人からヘンだと思われても「どうしてもやりたい」という熱意は大きな力を秘めているという。
「熱」がさまざまな人に届くことで、新たな「物語」が始まる。それは、観光に限ったことではない。2017年に大ヒットした『うんこ漢字ドリル』(文響社)が記憶に新しい、書籍の業界も同じだ。
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