同じ駅なのに、なぜ「駅名標」の書体が違っているのか:水曜インタビュー劇場(もじ鉄公演)(3/7 ページ)
駅名が書かれている「駅名標」をじっくり見たことがあるだろうか。よーく見ると、鉄道会社によって書体が違っていたり、同じ駅でもデザインが違っていたり。また、全国的に新しいモノを設置する動きが広がっている。なぜ、このようなことが起きているのかというと……。
2つの書体が使われていた理由
土肥: いま、ゴナと新ゴの文字を見ていますが、素人に違いを見分けるのは難しいですよね。ま、授業料だと思って、あきらめてください(冷)。ところで、平和島の駅名標にゴナと平成角ゴシック体の2つの書体が使われていたんですよね。その理由をご存じですか?
石川: 以前、とある雑誌の企画で、京浜急行の担当者さんに聞いたところ「分からない」ということでした。鉄道会社にはたくさんの駅があって、たくさんの駅名標がある。新駅が開業したり、劣化してきたりといった理由で交換すると思うので、駅名標の交換時期ってバラバラになるんですよね。製作するタイミングも違ってくるので、微妙に異なった書体が登場したのではないでしょうか。
土肥: 古くなったモノを取り換えるときに、「以前のモノは『ゴナ』なので、新しいモノも『ゴナ』ね」といった話にならなかったのでしょうか?
石川: もちろん、鉄道会社には「駅名標の書体はこれで……」といったマニュアルのようなモノはあるはず。ただ、これまで使っていた書体の入手が難しくなったり、運用上の理由が変わったりといったことがあるのかもしれません。このような話をすると「適当なの?」と思われる人もいるかもしれませんが、実はこうした現象は全国の鉄道会社で見られるんですよね。
ちなみに、昔は「ゴナ」の書体を使っている鉄道会社が多かったのですが、今は「新ゴ」を使うところが増えているんですよね。なぜだと思いますか?
土肥: えっ、ゴナと新ゴはよーく似てますよね。パッと見て、素人には区別がつかないのに、全国的に新ゴを採用しているところが増えているのですか。うーん、なんだろう。2つの書体はよーく似ていても、パッと見ると、新ゴのほうが見やすいとか。
石川: 答えは「デジタル化の波」なんですよね。
土肥: デジタル化の波? どういう意味でしょうか?
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