同じ駅なのに、なぜ「駅名標」の書体が違っているのか:水曜インタビュー劇場(もじ鉄公演)(2/7 ページ)
駅名が書かれている「駅名標」をじっくり見たことがあるだろうか。よーく見ると、鉄道会社によって書体が違っていたり、同じ駅でもデザインが違っていたり。また、全国的に新しいモノを設置する動きが広がっている。なぜ、このようなことが起きているのかというと……。
「平和島」の書体が違っていた
土肥: 石川さんは、もじ鉄のための情報サイト「もじ急行」を運営されているんですよね。サイトを拝見すると、駅名が表記されている「駅名標」だけでなく、のりばの番号や方面などが記された「番線標」、号車やドア番号を示す「案内標」などの写真のほかに、さまざまな情報を掲載していますよね。そもそも、なぜ駅の文字に注目するようになったのでしょうか?
石川: 子どものころから鉄道のことが大好きで、「鉄道に関係する仕事をしたいなあ」と思っていました。高校生のときに、京浜急行で学生アルバイトを募集していたので、そこで働くことに。
大田区にある「平和島」という駅のホームで働いていて、ふと、駅名が書かれた「駅名標」をじーっと見ていたんですよ。近くにある駅名標と遠くにある駅名標を比べると、文字の形に違いがあることが分かってきました。
土肥: 「平和島」と書かれた書体が違っていた?
石川: はい。駅で使われている書体は何か。自分なりに調べていくと、「新ゴ」と「平成角ゴシック体」だったんですよね。当時、ひとつの書体を購入するのは高くて、有名なフォントは5〜6万円していました。京浜急行のバイト代を文字に投入して、自分のPCにインストールすると、駅と同じ文字が映し出されました。自分のなかで、それがちょっと感動しまして。そこから「もじ鉄」の世界にハマってしまいました。
ただ、この話には続きがありまして、平和島の文字は「新ゴ」と思っていたのですが、よくよく調べると「ゴナ」という書体であることが分かりまして。なけなしのバイト代を使ったのに、実は間違ったモノを購入していました(涙)。
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