PB「ZOZO」発表のスタートトゥデイ、「ZOZOSUIT」で発展目指す:センサー開発元の完全子会社化も視野
スタートトゥデイが、「ZOZO」と名付けたプライベートブランド(PB)を発表。センサーを内蔵したボディースーツ「ZOZOSUIT」を使用した採寸ができる仕組みも取り入れた。センサー開発元の完全子会社化も視野に入れている。
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を展開するスタートトゥデイが、「ZOZO」と名付けたプライベートブランド(PB)を発表した。「be unique, be equal」をキャッチフレーズとし、ロゴには「○」「△」「□」といった記号を使用。「世界中の全ての尊い個性がファッションでつながる未来を目指す」との意味を込めたという。
商品の販売開始は11月末を予定。取り扱うアパレルのジャンルは「現時点では非公開。近日中に回答する」(広報担当者、以下同)という。
無料で配布、ビジネスの幅を広げる
ファッションEC(インターネット通販)の分野では、商品のデザインやサイズを説明する手段が写真や説明に限られるため、届いた商品のサイズが体に合わないケースが起きやすい点が課題とされている。
PBではこうした点を改善するため、「究極のフィット感を実現する」をテーマに掲げる。他の商品に先駆けて発表したボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」は伸縮型センサーを内蔵をしており、着用するだけで採寸できる点が特徴だ。
広報担当者によると、ZOZOSUITを着用することで「人体の約1万5000カ所のサイズが測れる」という。スマートフォンとのBluetooth接続に対応しており、測定結果はECサイト「ZOZOTOWN」の公式アプリ上で閲覧・保存できる。「たくさんの方に新しい体験をして頂きたい」という考えのもと、初回は無料で配布する。
取得したデータをもとに、ZOZOTOWNでの商品検索機能やレコメンド機能も充実させ、既存顧客の満足度向上と、新規顧客の獲得を図っていく。
ZOZOSUITの発表後、Twitter上では「取得したデータを活用して、ビジネスの幅が広がりそう」「毎日採寸できるから、ダイエットが楽しくなりそう」――といった期待の声が多く寄せられた。また、22日午後9時現在、ZOZOTOWNでは約1万6000人ものユーザーがZOZOSUITを「お気に入り」に登録している。
センサー開発元の完全子会社化も視野
ZOZOSUITに搭載する伸縮型センサーは、スタートトゥデイとニュージーランドの製造会社StretchSense Limited(SSL)が共同開発した。
スタートトゥデイはSSLの製造技術に大きな期待を寄せており、既にSSL株の39.9%を保有。30日には、PBが堅調に推移した場合にSSLを完全子会社化できる契約を締結する予定だ。
契約内容は「2018年9月30日までの期間中、SSLの各株主が持つ全持分を任意のタイミングで購入できる」というもの。行使日は19年3月期(18年4月〜19年3月)以降を予定しており、完全子会社化に要する出資額は約7200万ドル(約81億円)になるという。
現段階では、PBの売上目標やZOZOSUITの出荷目標は「非公開」としているが、今後どのような発展を遂げるのだろうか。展開が注目される。
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