ダイドー「デミタス」 甘すぎない微糖を実現した“変えない価値”:「甘さ控えた微糖」とは?(1/4 ページ)
ロングセラーの缶コーヒー「ダイドーブレンド デミタス」。その商品戦略を支えているのが、ダイドードリンコの土屋淳一さんだ。新商品「甘さ控えた微糖」の開発背景から、伝統を守り伝える土屋さんの仕事術を探る。
仕事の合間にちょっと一息。ぐいっと飲み切る缶コーヒー。そんなビジネスパーソンのニーズを長年満たしてきたのが、ダイドードリンコのロングセラー商品「ダイドーブレンド デミタス」シリーズだ。11月に発売から25周年を迎え、累計販売本数は62億本を突破している。
そのデミタスシリーズと仕事人生を共にしてきたのが、マーケティング部ブランド戦略グループリーダーの土屋淳一さんだ。13年間マーケティングの仕事に携わり、商品開発やブランド戦略立案を担当してきた。
土屋さんはデミタスシリーズが積み上げてきた価値をどう理解し、表現しているのか。節目の年に発売した新商品「ダイドーブレンド デミタス甘さ控えた微糖」が生まれた背景から探った。
ふた付きのボトル缶が勢いを増すが……
デミタスシリーズは150グラム缶の小容量の缶コーヒーで、働く男性を中心に多くの支持を集めてきた。1992年の発売後、販売量は右肩上がりに伸びた。2003年には年間販売量1000万ケース(3億本)を超え、その勢いを維持してきた。しかし、13〜14年ごろから、ふた付きのボトル缶が台頭。プルトップで開けるSOT(ステイ・オン・タブ)缶の市場は伸び悩みを見せている。
市場を活性化させるため、デミタスシリーズは9月、2年ぶりにリニューアル。「微糖」の味を改良したほか、新しい味「甘さ控えた微糖」を投入した。すると、リニューアル後の9、10月の販売実績は前年同期比2桁増。17年は8月まで苦戦したものの、リニューアル効果により、1〜10月の期間では前年並みまで盛り返した。SOT缶の市場が冷え込み、ボトル缶に加えて、ペットボトル入りコーヒーがヒットする向かい風もある中で、健闘している。
そのリニューアルをブランド戦略で支えたのが土屋さんだ。1998年に入社し、5年間自動販売機のルート営業を経験。その後、社内公募制度を活用してマーケティング部に移った。中身の開発担当を9年務め、現在はコーヒー商品全体のブランド戦略を担当している。
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