「出世したい」意欲、分かれ道は「42.5歳」:出世コースの明暗分かれる
ビジネスパーソンの出世意欲や、キャリアに対する意識が変化する時期は?――パーソル総合研究所調べ。
ビジネスパーソンの出世意欲が変化し、「出世したいと思わない」人の割合が「出世したい」人を上回る年齢は42.5歳――パーソル総合研究所の調査でこんな結果が出た。「年齢を追うごとに、出世コースから外れる人と役職・階級を上り続ける人の差がはっきりと分かれるため」という。
また、「キャリアの終わりを意識する」と考える人が多数派になるのは45.5歳という結果に。「(40代半ばは)出世意識とキャリアに対する意識が変化する時期であり、就業人生全体の中で、大きな気持ちの転換点といえる」としている。
調査では、45〜59歳のミドル・シニア世代に「自分が思うように成長できていない」との課題を抱える人が多いことも判明している。
ミドル・シニア世代はなぜ、仕事に対して後ろ向きな人が増えてしまうのだろうか。調査では「体力が衰えた」「忙しすぎて、仕事を振り返る余裕がない」「仕事に意義を感じられなくなった」――といった答えが多く集まった。
パーソル総合研究所は「健康面への不安や、残業時間の長さは成長・内省に対する意識に大きく影響しそうだ」とみる。「50代後半は、管理職から降りる『ポストオフ(役職定年)』を経験する層が多いため、やりがいが見えにくくなっているようだ」と分析する。
ただ、現在は人手不足と少子高齢化が進み、人々の労働寿命は延び続けている。ミドル・シニア世代も10〜20年は働き手であり続けるため、同社は「成長実感が40歳ごろから下降し始めるというミドル・シニアの成長実態は、本人にとっても企業にとっても、中長期的な意味で影響の大きい問題だ」と警鐘を鳴らしている。
調査は今年3月、全国の15〜69歳の男女1万人を対象に実施した。
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