ニュース
厚労省“ブラック企業リスト”から日本郵便など削除 470社に減少:「練炭燃えた建物で労働」の企業など追加
厚生労働省が“ブラック企業リスト”を更新。日本郵便など「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除したため、掲載企業は470社に減少した。
厚生労働省は12月15日、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。11月までの分として61社を追加した一方、厚労省が「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除したため、掲載企業は470社に減少した。
電通、パナソニック、ヤマト運輸など大企業も名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題となっていたが、荷積み作業中の男性スタッフの負傷事故を労働局に報告しなかった日本郵便(2017年2月28日送検)はリストから削除されていた。
厚労省によると、企業をリストから削除する基準は(1)公表日から1年が経過した場合、(2)公表から1年以内であっても、労働環境の是正・改善が認められた場合――の2点という。
ただ、公表から1年以内に削除された企業の具体的な改善点は「コメントを差し控える」(監督課)とした。
「練炭燃えた建物で労働」の企業など追加
今回リスト入りした企業は、換気装置を設けないまま練炭を燃焼させた建物内で労働者を作業させたリフォーム会社(札幌市)、労災が発生したとする虚偽の労働者死傷病報告を提出した土木会社(福島県郡山市)、従業員の感電対策を行わないまま高圧電流が流れる電柱での作業に従事させた電気工事会社(富山市)――など。
これまでの更新に引き続き、外国人技能実習生に「36協定」で合意した延長時間を超える違法な長時間労働を課した企業や、従業員に定期賃金を支払わなかった企業も多く追加された。
関連記事
- 厚労省“ブラック企業リスト”494社に 危険な環境下での労働多発
厚生労働省が“ブラック企業リスト”を更新。従業員を危険な環境下で作業させた企業が多く追加された。 - 17年の「ブラック企業大賞」9社ノミネート NHKなど
“今年1番のブラック企業”を決める「第6回ブラック企業大賞」のノミネート企業9社が発表。NHK、パナソニック、ヤマト運輸などが名を連ねた。 - 元人事が語る「ブラック企業」の見抜き方・抜け出し方
「ハードワークで低賃金」「福利厚生が未整備」といった環境下で働いており、「自分の会社は『ブラック企業』かもしれない」「会社に残るべきか、辞めるべきか」――などの悩みを抱えている人の指針になるのが、「人生を無駄にしない会社の選び方」だ。 - 就活生に聞く「ブラック企業」の条件 1位は……?
学生が就職先選びの際に「ブラック企業」と判断した要因は?――ディスコ調べ。 - 「外国人技能実習生」受け入れ企業、7割で労基法違反
外国人技能実習生の労働環境はどうなっているのか?――厚労省調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.